Noism0+Noism1+Noism2
Noism0+Noism1+Noism2
『春の祭典』は白い病院着のようなものを着た男女。初演が2021年である以上、観客はコロナ禍を想起する。『春の祭典』は人知の及ばぬ自然にひれ伏す人間が、より弱い者を「生け贄」として選び出す話だが、金森はそこを超えて、さらに人々が共に厄災に立ち向かっていく姿まで描きだしている。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
Noism Company Niigata(ノイズム・カンパニー・ニイガタ)
りゅーとぴあ 新潟市民芸術文化会館を拠点に活動する、日本初の公共劇場専属舞踊団。プロフェッショナル選抜メンバーによるNoism0(ノイズムゼロ)、プロフェッショナルカンパニーNoism1(ノイズムワン)、研修生カンパニーNoism2(ノイズムツー)の3つの集団があり、国内・世界各地からオーディションで選ばれた舞踊家が新潟に移住し、年間を通して活動。2004年の設立以来、りゅーとぴあで創った作品を国内外で上演し、新潟から世界に向けてグローバルに展開する活動(国際活動部門)とともに、市民のためのオープンクラス、学校等へのアウトリーチをはじめとした地域に根差した活動(地域活動部門)も行っている。Noismの由来は「No-ism=無主義」。特定の主義を持たず、歴史上蓄積されてきた様々な身体表現を後世に伝えていこうとしている。
www.noism.jp
金森穣
演出振付家、舞踊家。Noism Company Niigata芸術総監督。17歳で単身渡欧、モーリス・ベジャール等に師事。NDT2在籍中に20歳で演出振付家デビュー。10年間欧州の舞踊団で舞踊家・演出振付家として活躍後帰国。04年4月、日本初の劇場専属舞踊団Noismを立ち上げる。平成19年度芸術選奨文部科学大臣賞、平成20年度新潟日報文化賞、第60回毎日芸術賞ほか受賞歴多数。令和3年紫綬褒章。www.jokanamori.com
「鏡の中の鏡」は私と佐和子のための作品です。1人の男と1人の女が互いの心の深淵を覗き込み、その普遍性に辿り着くことで再び出会う事るそれは互いの裡なるアニマとアニムス(ユング心理学における裡なる女性と男性)と出会うという事です。(金森穣)
舞踊とは非言語表現である。だからこそ好きに発言(表現)できると思ったら大間違いである。社会的意味を持たない言語だからこそ、より観客の想像力に訴えかける言語(踊り)でなければならない。饒舌である必要はない。沈黙を恐れてはならない。人間(観客)には、聞こえない言葉を聞き取る能力があるのだから。(金森穣)
Noism初、映像のための舞踊作品。2020年、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行により、世界中を取り巻く環境は大きく変化した。“公演の記録映像の配信”ではなく、この社会状況下だからこそ生まれる“映像で観ることを前提とした舞踊作品”として金森穣が創作したNoism初の「映像舞踊」。Filmyで現在有料配信中。
Noism0
『残影の庭―Traces Garden』は、武満徹作曲による現代雅楽の古典『秋庭歌一具』と、演奏する伶楽舎との協働。冒頭に三人が並んで動くシーンだけで、カウントではなく呼吸で動きを合わせる緊張に満ちている。指揮者のいない雅楽と、カウントで踊るバレエとの融合だ。井関が艶やかな羽衣で踊るが、死者と語る話が多い能の幽玄さも共存している。形ではなく、身体の有りようの中に和と洋が共存する、希有な作品である。