2010年3月21日。1999年10月より10年間活動を続けてきたM-laboratoryの活動停止公演として上演された作品。一度きりの活動停止という三浦宏之のコンセプトから、アサヒアートスクエアにて1ステージのみの上演となる。動き続けてきたものが、停止する瞬間。それは身体においても、時間においても、空間においても同じ条件によって、同じ状態を伴って立ち上がる。踊りが立ちあがる瞬間と、それが停まる瞬間は同義であり、総ては0から始まり0に集約される。生と死、有と無、真と虚、それらシンプルな要素を極限まで純化し、ダンサー8人の身体と、丸山武彦の照明、宮内康乃の楽曲とによって構成した。M-laboratory活動の集大成であると同時に、その結晶とも言える作品。
ここからM-laboratoryは7年間の活動停止期間に入る。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
オンデマンド配信。事前に会員登録が必要です。(月額1,045円)
1999年、三浦宏之と丸山武彦により結成。Mはmovement、moment、mesh。laboratoryは先駆的、実験的であること。社会的な動き、身体の動き、メンバー個々の活動を網の目として繋げ、その瞬間を生み出すための実験的時空を構築する集団として活動を開始。ほぼ全ての作品振付を主宰の三浦宏之が務め、結成から2020年までに30作品を発表。国内外にて上演されている。既成の価値に偏らない身体、美術、音楽、照明の全体構成から生み出される作品は、常に独自の世界観によって描かれる。
戦争三部作最終章となる作品。本作より上村なおかが参加。イメージの根底にあるのは戦争によって荒廃した都市とその復興がもたらす記憶の変遷。広島や長崎、沖縄、911のNYを始め、有史においてこれまで世界において無数の都市が廃墟と化し、そしてその多くが、新たな都市として再興されてゆく。それらの時間経過と都市空間の変貌が、人々に刻まれた戦争の記憶を、一つの結晶に変えてゆく。語り継ぐことと忘れ去ること。その間
2003年から2007年にかけて展開したカンパニープロジェクト「戦争三部作」の第二作目となる作品。対立するイデオロギーを時に抽象的に、時に具象として舞台上に表出させる。作品前半のコラージュされた言葉と無意味な行為とも取れるコミカルなムーブメントから一転、後半はまさに世界が戦争に向かっている現状を見る者に想起させるシリアスな展開で観客を魅了する。ラストシーンでは生花によって人体を模して作られた三体の
JADE INTERNATIONAL DANCE FESTIVAL 2006参加作品。舞台中空に3.6m×2の四角柱の骨組みが浮かび、フロアには椅子が一脚と生花とブラウン管テレビが配置される。ブラウン管が映しだすのはサンドストームのみ。自我を失い、狂気へと向かう人の様を描く、インスタレーション色の強い空間。作品中、空間は舞台美術によって歪みながら変容し、人は幼少の記憶の中に本来の自らの姿を映しだす