長谷川達也を中心としたDAZZLEは、ストリートダンス出身ながら物語性のある作品を多数発表している特筆すべき存在だ。彼らの群舞は、従来のダンス言語とは異なる発想から展開しており、幅広い層の観客を一気に引き込んでいく。この作品は彼らの代表作であり、テキストを使いながら兄弟の自己犠牲の物語が重厚に描かれる。シビウ国際演劇祭で上演された際には、最後のシーンが始まる前に観客が総立ちで拍手を送っていた。
本作では、障子や狐の面や和傘といった日本の伝統的なアイテムなど、日本人が愛してきた美意識を、深い理解の上で活かしている。
日本の文化は、伝統的に光と影の両方を愛する。とくに能でいう「幽玄」とは光と闇が溶け合い、人間とスピリチュアルな者達との世界の境が曖昧になる状態のことだ。
太陽が出ているのに雨が降ることを日本の民間伝承で「狐の嫁入り」というが、本作ではそこから新しい物語を案出し、傑出した物語を作った。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
オンデマンド配信。
長谷川達也を中心としたDAZZLEは、ストリートダンス出身ながら物語性のある作品を多数発表している特筆すべき存在だ。彼らの群舞は、従来のダンス言語とは異なる発想から展開しており、幅広い層の観客を一気に引き込んでいく。『花と囮』は彼らの代表作であり、テキストを使いながら兄弟の自己犠牲の物語が重厚に描かれる。シビウ国際演劇祭で上演された際には、最後のシーンが始まる前に観客が総立ちで拍手を送っていた。