能舞台との交響
能舞台との交響
「すべての動きが絶妙で優雅」と評された三条万里子の代表作「鳥」は1975年、ニューヨークのバーナード・カレッジにて初演。百人の小ホールから二千人入る大劇場まで、約20年間踊られた。「能舞台との交響」(企画:能楽笛方藤田六郎兵衞)では能舞台という空間で、"伝統と逸脱が混在"する。カザルスがアンコールには必ず弾いたという「鳥の歌」を何度も聴いた三条は、内部から「わたしの動き」が、必然的な動きが溢れ出たという。
3歳で大野弘史に入門、1952年に独立。1962年、アルビン・エイリーに招待されて渡米。1964年までエイリー及びドナルド・マッケイル両舞踊団のソリストとしての活動し、その間、マーサ・グラハム、ホセ・リモン、ルイ・ホースト (振付) に師事。1966年フルブライト奨学金を得て再渡米し、それ以来、活動と生活の本拠をニューヨークにおく。日本での公演活動と指導も多数。音楽・バレエ批評家協会賞(1966)、文部省芸術祭奨励賞(1968)、New York State CAPS (Creative Artists Program Service)Award振付賞(1978)受賞。代表作に「土偶ーJOMON」「鳥」「舞踊論 I~IV」シリーズなど。著書に『イカルスのように』(2002年、太陽出版)。