1973年からパリを拠点に活躍した矢野英征は、ダンスと演劇、音楽を融合させた作品群で、フランスのヌーヴェル・ダンスに大きな影響を与えた。矢野の作品から、ワーク・イン・プログレス(1981年、パリ)、「サロメのためのエピローグ」(1984年、パリ)、「鷹の井戸」(1985年、パリ)、「サロメ、欲望の寓話」(1985年、ブザンソン)を抜粋して収録。エルザ・ウォリアストンやカリーヌ・サポルタが出演している。
1943年東京生まれ。演劇やヨガ、パントマイムなどを学び、東京で創作活動を行ったのち、1973年に渡仏。フランスで「祭儀的舞踊演劇」を掲げる前衛舞踏団「間(ま)」を結成し、フランスのヌーヴェル・ダンスに大きな影響を与えた。1986年にはブザンソン・フランシュ・コンテ国立振付センターの芸術監督に就任。フランスでは「ヌーヴェルダンスの父」とも慕われる。作品に「隅田川・狂気」「鷹の井戸」「サロメ」三部作など。1988年永眠。