水を司る龍の棲む夜叉ヶ池。今庄の里を日照りから救うために龍神に身を捧げた娘は、夜叉姫として信仰を集め、「白雪姫」として泉鏡花の小説「夜叉ヶ池」にも描かれている。
今庄町の古い茅葺きの民家の庭に舞台をしつらえ、治水を願う里の人びと、旱魃をもたらす魔神など夜叉ヶ池をめぐる様々な精が登場。日照りに苦しむ里を、白雪姫が自らを呪縛している鐘を割り、恵みの雨をもたらすという伝説を舞踏によって、あらたに演じる。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
和栗由紀夫主宰の舞踏グループ。和栗由紀夫は1952年東京生まれの舞踏家で、土方巽直系。硬質かつしなやかな肉体、切れのよい美しい型、微妙なニュアンスまで繊細に踊り分ける表現力を持つ。また、土方系独自の『舞踏譜』を使った振付法の継承と展開を行い、98年にはCD-ROM『舞踏花伝』を出版、土方作舞法に焦点をあてた舞踏再評価の契機を作った。以降、国内外での公演活動の他、大学、研究機関での舞踏WSを広く開催していたが、2017年、癌のため逝去。
螺旋とは命の形。朝顔の蔦に、銀河の構造に、DNAにと、螺旋はいたるところで私達をとりまく。生・住・異・滅、森羅万象の中で螺旋が舞踏する。私達は肉体という夢の中で、上昇と下降の真っ只中に、宙づりだ。しかし、案ずることはない。形にならないもの、目に見えないものの中にこそ真実が潜むことを知っているのだから。舞踏はひとつの道しるべ。新しい土地にこそ種は蒔かれるべきだ。見たこともない新しい芽を出す日を待とう
好善社第二回舞踏公演。チラシより:土方巽氏に師事して以来、1979年「楼閣に翼」を舞台に好善社を設立。それから彼(和栗由紀夫)はパタリと沈黙し、ひたすら江戸小紋の染めの仕事に入る。そして7年後の今日の出来事である。1985年、スタジオ200で行われた「東北歌舞伎計画」に参助しながら、浮上する機会を暖めてきた。彼にとっての舞踏が燃焼し始めるこの時期は、亡き土方巽氏を思えば無念の心境であろう(彫刻家・
想いはいつも楕円である。近づきまた遠のいてゆく距離。存在とは距離に他ならないのか?いくつもの楕円が重なり合う。生と死、光と影、そして写し撮られた私が肉体という迷宮をさまよう。舞踏と映像の引力と斥力がそこでは激しくぶつかる。内部が外部に溢れ出してゆく影の洪水。内部を持たない外部の始まり。それらの事件は舞台上で起こる。その時、大きな楕円はグラっと傾く。ー和栗由紀夫
舞踏50年の記念に土方巽に捧げる公演として『幻想の地誌学』に続き、谷川渥『肉体の迷宮』を舞台化した作品である。「自分と異形の肉体との微妙な距離」を和栗自身の舞踏の支えに、自分という迷宮に取り組む。コンテンポラリーダンサーの関と共に、6人の女性舞踏手と土方舞踏譜を元に作品を制作している。その後も海外でのツアーや新作公演など、和栗の精力的な活動は続くが、日本国内において自身のカンパニー好善社としての公