青年は目を覚ますと、精神病院にいた。そばにいるのは、精神科医。刑務官。そして夜な夜なあらわれる夢とも現実ともわからない少女である。
ある日、精神科医の元を弁護士が訪ねてくる。国選で青年の弁護士となった彼は、いまだ、青年に面会することもできていない。
5人の会話は迷走し、もつれ、記憶と現在と精神を行ったり来たりしながら、カルト宗教施設で育った子供が犯した犯罪を浮かび上がらせる。
serial numberは東京で活動する演劇ユニットです。1993年風琴工房として旗揚げ。2018年屋号がserial number(シリアルナンバー)に変わる。現代とリンクするテーマを、綿密な取材で骨太なドラマに変換し、俳優たちの躍動感あふれる演技と演劇知が結集した演出で表現。一流のスタッフ陣による高精度のスタッフワークなど、妥協を許さない空間構成のうつくしさもみどころ。