尾竹永子ソロプロジェクト「A Body in Places」
尾竹永子ソロプロジェクト「A Body in Places」
尾竹永子は、1976年からニューヨークを拠点にパフォーマンス・デュオ Eiko & Koma(エイコ&コマ)のひとりとして活動し、アメリカを中心に多くの国で高く評価されているアーティスト。2014年から開始したソロ活動でも注目を集めている彼女の「A Body in Places」プロジェクトが初めて日本で実現した。東日本大震災から10年を経た東京の上野エリア(上野駅、東京文化会館、仲通商店街など)および旧博物館動物園駅と渋谷川暗渠の地下空間に尾竹が身を置き、福島のイメージを建築物や衣装に投影し、身体を重ねていく姿を追う。
大野一雄舞踏研究所のアーカイヴ活動を母体に、2012年として任意団体として発足し、2016年に特定非営利活動法人として設立した。大野一雄アーカイヴのノウハウとネットワークを拡張し、日本に横断的なダンスアーカイヴを構築することを目指して活動している。
自らを「をどるばか」と呼んだ石井漠。9.5ミリフィルムの映像が残されている石井漠作品「グロテスク」(1925)を、プロジェクト大山流にリコンストラクションする。プロジェクト大山色全開の衣装にも注目したい。大野一雄フェスティバル2013参加作品。
舞踏? プレゼンテーション・ショウ
十人いれば十人が違う答えを持つであろう「舞踏とは何か」という問いに、様々な手法を明かして「これが舞踏か?」と観客にプレゼンテーションする。後半では、室伏鴻のquick silverをコピーし、白塗り、銀塗り、素のカラダをさらけ出して答えを探る。Dance Archive Project 2016参加作品。
川口隆夫ディレクション企画「舞踏 ある視点」
内省的なパフォーマンスに多くの支持者をもつ、佐藤ペチカのソロ新作。水槽を抱えて旧博物館動物園駅の階段を降り、地下空間で水と遊戯し、やがて大きな向日葵のオブジェをまとう佐藤ペチカは、幼虫から蝶へと変態して地上へ向かう。地上と地下、生と死、内と外の関係を変容させていく、静かなスリルに満ちた映像作品。
大野一雄の踊りを生では見たことがないという川口隆夫が、アーカイヴに残された映像記録から大野一雄の踊る形を完全コピーして再構成。2013年初演以降の7年間で世界38都市で上演され、2016年のニューヨーク公演はベッシー賞にノミネートされた。