東日本大震災の年に行った公演「帰ㇽ」を作った動機は、震災原発の問題の後、世界不況も絡み合った閉塞感で人々が生きるという方向性を見失ってしまい崩壊へと向きかねないという危機感からです。舞踏家の使命として、舞台において、現在の世界に体を開き、誠実な一歩を歩む事により、お客様へ生きる事への共振をお伝えしたいと願ったのです。この世の命は全て祝福されている。帰ㇽ、命の肯定へ。死や崩壊すら再生への始まりです。
Dance Mediumは2004年、長岡ゆりが立ち上げた舞踏カンパニー。白桃房出身の正朔と共に作品を創り、ワークショップを行っている。長岡は、クラシックバレエ、モダンバレエを基礎として持ちつつ、舞塾や様々な舞踏家のワークショップなどに参加、1994年<虚空人形>シリーズを開始。98年に韓日ダンスフェスティバルに招待されて以降、世界各国で公演とワークショップを行っている。2004年には岩名雅記監督映画「朱霊たち」に準主役として出演した。2011年、<帰ル>で舞踊批評家協会賞を受賞。