1888年、フランスアルル地方。ゴッホが画家の共同生活場所・創作拠点として作った【黄色い家】に集ったゴーギャン・スーラ・シニャックらは、喧嘩を繰り返しながらも互いを高め合い、親交を育んでいた。そこに、主人を喪ったメイドのアルルが【黄色い家】の戸を叩く。「知られてはいけないが残さなくてはいけない」絵を描く為に。各々が自らの想いを乗せて筆を走らせる中、変化していく想いと時代と環境に翻弄され続ける画家たちに訪れる、ささやかな真実と現実。
印象派の画家たちの親交と離別を縦糸に、ナポレオン亡き後のフランス史のうねりを横糸に、芸術を追い求め不器用に生きた画家たちの蜜と毒を描いた虚実綯交ぜの物語。
2003年活動開始。作品モチーフを徹底的に取材した上で、その空白から想像した「もしかしたら在りえたかも知れない」を虚実ないまぜに描くファンタジー作品を得意としている。