鳥の劇場がプロデュースするじゆう劇場とニューヨークを拠点とするシアター・ブレーキング・スルー・バリアーズ(TBTB)は、障がいについての社会一般の意識を改革しようと活動を続けている日米の劇団。これまでも共同で演劇作品のクリエーションを行い、コロナ禍でもオンラインによる交流を通じた創作活動を行ってきた。
本公演は、二つの演劇作品『パックさんの魔法』と『美のことなり』に新たに『エピローグ』を加えた形に再構成したもの。シェイクスピアの「真夏の夜の夢」の稽古場で大混乱が起こる『パックさんの魔法』は、オンライン作品として発表したものを舞台化。『美のことなり』は、出演者一人ひとりに作家がインタビューし台本が書き下ろされた、つぶやきが折り重なり希望のうねりとなる新作独白劇である。そして『エピローグ』で描かれる人間の関係性とは…。
障がいの有無にかかわらず、それぞれの人の多様な生き方や価値観を、国籍や障がいなどの壁を超えた人間の内面の美しさとして表現した本作は2022年9月「鳥の演劇祭15」にて初演。
本作は令和4年度国際交流基金舞台芸術国際共同制作事業として制作されました。
◎シアター・ブレーキング・スルー・バリアーズ(TBTB)
1979年に発足したニューヨークを中心に活動する劇団。障がいをもつアーティストの育成と観客の開拓、「障がいがあることが芸術の質や品位に影響しないこと」を証明するために活動する。
◎じゆう劇場
鳥の劇場プロデュースのもと、2013年に活動を開始。障がいのある人、ない人が共に舞台を作り、日常では隠れがちなそれぞれの豊かさを発見し、観客と分かち合うことを目指す。