わたし(渋谷ショーコ)は、現在中学の教師をしている。
中学生だったとき、彼女は漫画家になりたかった。
だから毎日のように漫画を描いていた。
将来の夢は漫画家。でもなれなかった。
なりたかった職業に就く大人なんて、ほんの一握りだと思う。
結果わたしは、地味な大人になったが、
彼女は職場恋愛を経て結婚をすることになった。
教師同士の恋愛。肩身も狭く、周りの噂が耳に痛い。
ある日、自分のクラスのストーカーにあっている生徒が、
体育の授業を見学しまくっていることを知る。
同僚の体育教師とその生徒と話し合いを設けたのだが、
驚く言葉を言われてしまう。
「じゃあ、先生はわたしが殺されそうになったら、代わりに殺されてくれますか?」
これをきっかけに、
14年前、担任の先生が殺されて荒川の河川敷で発見されたこと、
あの日いなくなってしまったあの子のこと、
過去にフタをしていた様々なことを思い出さねばならなくなる。
現在の私と、14年前のわたし。
ねえ、ショーコちゃん。神様ってほんとうにいるのかな?
山田佳奈がレコード会社のプロモーターを経て、2010年に立ち上げた劇団。 ライフスタイルが自由化された現代社会においてのコミュニケ―ション欠如や、大人になりきれない年齢不相応な自我に対して葛藤する人間を描く。2020年 劇団10周年を迎え、所属俳優を持たずに山田佳奈作品の舞台制作を行う場として単身新体制になる。 2013年 第六回本公演「タイトル、拒絶」がサンモールスタジオ最優秀演出賞 受賞。 2014年 第八回本公演「荒川、神キラーチューン」が演劇ポータルサイト『CoRich 舞台芸術まつり!』グランプリ受賞、サンモールスタジオ最優秀団体賞 受賞。 2020年 山田本人が監督を務めた「タイトル、拒絶」が東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門に選出、更に東京ジェムストーン賞 受賞。 2023年 第十五回本公演「剥愛」が第68回岸田國士戯曲賞 最終候補としてノミネート。
