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若き編集者・福島は運命の夜を迎えていた。今夜中に原稿を取ってこなければ、クビになるのは間違いない。彼が原稿を取りに向かうのは3人の作家。その名も、宮澤賢治、太宰治、中原中也。果たして作家たちの新作は無事に書き上がるのか。そもそも福島は、なぜ作家たちに会っているのか。抜きさしならない長い一夜の夜明けが近づいてくる。
笑っちゃうほど刺激的喜劇王モリエールの代表作に、新たな風が吹き込まれる!ドケチな主人公アルパゴンが再婚相手に選んだのは、貧しい家の娘…しかも息子の恋人?!結婚をあきらめさせようとする息子たちに、助っ人も加わりだまし合いが始まった。が、その時アルパゴンの金が盗まれてしまう! 怒り狂ったアルパゴン、犯人探しの先に待ち受けるのは───フランス人演出家ジャン・ランベール=ヴィルドが、SPACの俳優とともに
言わずと知れたシェイクスピアの悲劇『ハムレット』をモチーフに、東西を分断されていたドイツで活躍した劇作家ハイナー・ミュラーが書いた、上演不可能とも言われる伝説的テキスト『ハムレットマシーン 』。地形が、家族が、暴動が、役者が、アメリカが、血と肉が、たった15ページで展開される、これでもかというイメージの応酬。暗く陰鬱な言葉からユーモアを抽出する地点の「歴史劇的牧歌劇」!
青年座・セレクションvol.5
ノッポが突然姿を消した。かなりの年月が経ち、友人の元にその男から戯曲が届いた。戯曲はイエス・キリストが十字架にかけられた頃のエルサレムが舞台。神をののしる男、神を信仰する女、神の身代わりだと言う盗賊の姉弟、神に憧れる奴隷、神のことを知らない娼婦が登場する。ノッポが生きた現実世界と戯曲の世界が交差する。信じることそして人を愛することは何か…
闘争スル妄想ヲ暴走セヨ!■ものがたりかつては清酒の産地として栄えたとある街。 しかし今はどの工場も閉鎖されてしまった。 再開発の波に抗いながら生きる酒を愛する男たち。 彼らが唯一の救いとして慕うのが、人気アイドルSであった。 そんなある日、街の再開発のイベントにアイドルSがやって来るらしいという情報が舞い込み…。 愛する街と酒のため、アイドルソングに乗せて男たちの暴走が始まる!
コージロさんは歯が痛くてユーウツだった。水道の蛇口が壊れてユーウツだった。なにより、ハラダさんが家を立ち退いてくれないのでユーウツだった……。
体外受精にスポットを当て「不妊治療の今」を男たちの視点で描く。パズルのように時間が往来する戯曲構成、劇場全体を待合室と見立てた舞台美術で、観客自身もまた翻弄される当事者であると思わせることを狙った作品。ある日、サラリーマンの藤枝は「㈱ファミリー・クラブ」という結婚相談所で、どこか風采のあがらない、芳野という男と出会う。芳野はファミリー・クラブで知り合った芳子という女性と2年前に結婚。芳野自身が完璧
劇作家如月小春の上演台本に、演出家如月小春が「演出ノート」「構成写真」で演技指導する。演じるのはBOYS&GIRLSだ!
次世代に、そして全世界に語り継ぎたい明日への再生の物語「人類史の折り返し地点」 ―― 井上ひさし2020年紫綬褒章を受章した演出家・鵜山仁が捧げる、終戦から3年後のヒロシマを舞台に父と娘が織りなす命の会話
ドキュメンタリー
ぽつねんとある自動販売機を止まり木のようにして集まる3人の人物の雑談から始まり、缶ジュースの風味が浸透するように境目なく様々な記憶や風景が現れては消え、過去や未来、人物がいるのかいないのかさえ揺蕩っていく。その中自動販売機だけは形を変えず、その場に存在し続ける。監視者なのか、なにかを促すモノリスなのか。感覚的なようで、人物たちの感情は一連のストーリーとして確かに繋がってるニュースタンダード会話劇。
『忘れる日本人』に引き続き、震災後の日本人の姿を描く地点×松原俊太郎第4弾。かつてあった美しい山の隣に放射性廃棄物の山ができたという戯曲の設定を空間に落とし込んだ黒光りする急斜面の舞台で、汚染された土地で暮らす家族をなまはげをモチーフにして演じた。叫ぶことを怠けてはいけない、という信念のもとおくる新しい〈家庭劇〉とも言える本作は、松原俊太郎の第63回岸田國士戯曲賞受賞作となった。
(フライヤーより)古典劇じゃない。伝統芸能でもない。これは「今」生まれたばかりのコメディだ!陽気で元気なイタリアがここにある!アントニオ・ファーヴァのコメディア・デラルテ
(フライヤーより)ヤマトの民は火の民なり。その身は鉄、その息は炎。彼らの行くところ、山川(やまかわ)ことごとに動(とよ)み、国土(くにつち)みな震(ゆ)りき。青山(あおやま)を枯山(かれやま)となし河海(かわうみ)をことごとに飲み干し、国(くに)の内(うち)の人民(ひとたみ)を多(おお)に死なしむる。
マレビトの会の松田正隆がタルコフスキーの映画『ストーカー』等を下敷きに書いたSFメロドラマを、維新派·松本雄吉の演出で上演。舞台は、隕石の落下によってできた巨大な穴を抱える都市。段丘上に広がる街(舞台装置)のあちらこちらに、穴の周囲に設定された立ち入り禁止区域「ゾーン」の案内人とその家族、 死者と再会するためにそこを訪れる人々の人間模様が配置される。ゾーンで過ごす死者との時間は幻にすぎないのか、穴
江戸の三大俳諧師の一人と称される夏目成美こと、蔵前札差井筒屋八郎右衛門の寮から四百八十両の大金が盗まれた。容疑者は食い詰め者の俳諧師、小林一茶。蔵前札差会所見廻同心見習いの五十嵐俊介は、お吟味芝居を仕立て、自身が一茶を演じながら、彼をよく知る元鳥越町の住人たちの証言をつなぎ合わせていく。そこに浮かび上がってきたのは、俳諧を究めようともがき、一人の女性を命懸けで奪い合った一茶と宿敵・竹里の壮絶な生き
海峡にのぞむ理髪店「山猫BARBER」。店の親方は昔カミソリで細君のノドを掻っ切ったとか。だけど細君も娘さんもちゃんといるようです。 北海道の炭鉱でガス爆発にあって温泉療養に行くという青年、なぜここへ来たのか自分でもわかりません。久しぶりのお客にカミソリを手にした親方、見習いに手伝わせますが危なっかしくてしょうがない。別役ドラマ独特の滑稽きわまるやりとりと時間の交錯、そこから不気味な記憶がよみがえ
鴻上尚史主宰の「虚構の劇団」記念すべき第1回公演!グローブ・ジャングルとは、公園にある丸い形をしたジャングルジム。今日も、公園で、ぐるぐると、複雑な地球は回されることを待っている。ロンドンの日本人コミュニティを舞台に描かれるネット社会で傷付いた女性の再生の物語。
小説家・宇佐美章が亡くなって、まもなく100日法要。蓼科の山荘に暮らす未亡人・加奈に呼ばれた3人の男たちが訪ねてくる。引き出しの奥に残されていた一枚の写真を巡り、事態は思わぬ方向へと転がっていく・・・
(フライヤーより)劇的な瞬間の連続を求めて活動してきたマシュマロ・ウェーブが、そのメソッドを未知数のキャラクターたちにも応用。これは砂漠の中の町で起こる愛と狂気に満ちた90分間のマシュマロ・ワールド。
行くは天国 帰るは地獄会社員の岬智朗(袴田吉彦)と教師をしている関(安田顕)は高校からの同級生。人生の曲がり角にさしかかり、世間のしがらみや、ややこしい問題を抱えて行き詰まっていた二人の前に、高校生のときに「事故」で死んだはずの智朗の弟・達朗(平岡祐太)と同級生の遠山(内田滋)が突然現れる。15年ぶりの奇妙な再会に戸惑う智朗と関。だが二人は、次第に死者であるはずの達朗たうに馴染み、後ろめたさを感じ
ナイロン100℃ SIDE SESSION SPECIAL
ドイツの放送作家、ギュンター・アイヒによって1950年代に書かれたオムニバス放送劇『夢』。その中から舞台用にアレンジ可能と見なした3編を選び、オリジナルで書き下ろした3編を加えて上演。何十年も止まらない列車に閉じ込められて暮らしている家族の話『列車』、ある三流小説家が死の世界を経験する『死』など、6話6様の悪夢が繰り広げられる。「ナイロン100℃」史上初めての、笑いが一切ない作品。
西洋、日本のさまざまな物語形式を取り入れ、日本人の奥底に眠る近親相姦的感情を浮かび上がらせた戯曲(1978年初演)を、“井上ひさし生誕77フェスティバル2012”の第七弾として上演された。平安時代の奥州・米田庄を舞台に、十五の夏に禁忌を犯した美しく仲睦まじい双子、稲若と日の浦姫と、二人の間に生まれた子供をめぐる数奇な運命を、井上ひさし流のユーモアを交えて描いた作品。
ドラマとカオスを縦横するスペースノットブランク。CHAOTICなコレクティブによるDRAMATICなアドベンチャー。ダウンロードとアップロード。HIGH & LOW。物語とキャラクターと本人と別人が脱ぎ着する、母音だけでコミュニケーションできる「場所」。実存しない物語とキャラクターを、実存する本人が「上演」というシチュエーションを用いて実存する別人の目覚ましを鳴らそうとするための舞台。
(フライヤーより抜粋)そこで私たちは夕方になると、 どうしても胸のどこかが、 キューッとなってしまう気持ちの、ほんのひとつかみを、ささやかに、 お送りしたいのです
【Story】「流星」 舞台近景遠景画像さまざまな少年たちが大都市の片隅で孤独な夜を過ごしている。都市の迷路を逃げ回る少年1は、紛れ込んだ病院で全身に何本ものチューブを付けられた少年患者を見つける。両目を包帯で巻かれた少年2と出会う少年1。全身機能を奪われた少年患者を奪い逃走する少年1。逃走途中で男たちに謂れのない暴力を受けた少年1は、彼らをナイフで刺し殺す。少年患者を背負って街をさまよう少年1を
(フライヤーより)「これから旅にでる。一緒に行きたかったら上野駅の翼の像の前に来い。十時から十分間だけ待つ。」極道小説家の木戸孝之介は、契約愛人の清子を連れて、ホンモノのヤクザである叔父・仲蔵が経営する”あじさいホテル”通称”プリズンホテル”へ、仕事も兼ねた二泊三日の旅にでた。だが、執筆中の作品の主人公が実際に姿を現したのを契機に、孝之介の人生に関わるような事件が続発した。孝之介の尽きせぬ母への愛
(フライヤーより)僕は夜中に台所でこっそり懐中時計を呑みこんだ
世は南北朝時代、足利尊氏と新田義貞が天下をあらそう戦乱の時代。新田の家臣・塩谷判官[えんやはんがん]高貞は足利軍にやぶれ、降伏した・足利がうばった新田の財宝を返してもらうかわりに、塩谷は新田の愛人・勾当内侍[こうとうのないし]をさしだす。天下の美女を手に入れた尊氏の弟・直義[ただよし]は塩谷に心をゆるし、むほんのたくらみをあかして仲間にひきいれる。一方足利の重鎮・高師直[こうのもろのお]は、直義の
国民的はなし家、円生と志ん生。うちひしがれた戦後の日本人を心底笑いで励ますことになるこの二人の大名人は、敗戦のときを満洲南端の都市大連で迎えていた。ソ連軍の侵攻と同時に大連は封鎖され、日本国からは見捨てられる。二人がふたたび祖国の地を踏んだのは、じつに六百日後のことであった。 戦禍の街を命からがら逃げまどう二人のはなし家。巡りあうのは、まるで地獄のような情景ばかり。住む家もなく、食べる物もなく、し
ひな壇状の空間。縄跳びやダンスなど女子高生たちが思い思いに遊び、そこに時報音、胎児の超音波画像、鳥のさえずりなどが重なっていく。平田オリザの戯曲「転校生」を、マルチクリエイター・飴屋法水は、「本物の女子高生を演者にする」リアルと、「時空を超越した空間で演じる」フィクションの両面から立ち上げた。女子高生の日常に風穴を開けるのは、転校生を名乗る初老の女性。他愛もないお喋りの合間に、社会の不平等と不条理
源平合戦後も平家残党が生き延びていたという設定のもと、平家武将たちと源 義経の“その後”を描いた「義経千本桜」は全五段の傑作長編。その二段目「渡海屋・大物浦の場」は、海に身を投げて自害したはずの平知盛が、船宿の主人となり義経に復讐を企てる物語です。変わりゆく時代の中、変わらぬ信念で戦った知盛の姿は、今どんな相貌をもって現れるのか。平成から令和の改元、疫病による日常の変化を受けての2021年版を演出
井上ひさしが描く、漱石的学校での不思議なひと時。晩年の漱石に多大な影響を与えたと言われる「修善寺の大患」。作風のみならず本人の死生観にまで影響を与えた三十分間の意識の空白の中、「坊っちゃん」「三四郎」「それから」「薤露行(かいろこう)」「こころ」などの多彩な漱石作品を思わせる登場人物たちが、各々が抱える「どうしようもない淋しさ」を埋めるために動き出す。"夏目漱石"評伝劇が鵜山仁の手によりこまつ座初
新宿八犬伝 全五巻
1985年6月21日-30日アシベホール(新宿歌舞伎町)にて初演。この戯曲で当時26歳の川村毅は1985年度第30回岸田國士戯曲賞を受賞した。滝沢馬琴の「南総里見八犬伝」に想を得た、シリーズ第一巻。架空都市・大火災の後の新宿歌舞伎町に、アスファルトから"物語の死者、夢の狩人"「騒!乱!情!痴!遊!戯!性!愛!」の八つの玉の精が闇の八犬士として蘇る。1991年に新巻「第三巻」「第四巻」を発表するにあ
青い鳥スペシャル! クラウド ナイン ー銀色の雲の上で― アンコール公演
全世界の登録数は700万人超の紹介制ネットカジノ「K2」を匿名で運営する美菜。「K2」内で最も人気を誇るオンライン型育成カジノゲーム『earth』は、ユーザー間で「アス」「けつあな」と呼ばれ親しまれ、『流せ、すべてのセンス。』というキャッチコピーには宗教家である美菜の思想が反映されており、ゲーム内にユーザー独自の地球を作り、歴史も価値観も生き方もすべて自由に変えられる星育成システムで話題を呼んだ。
遊園地再生事業団#11
舞台はとある中学校の教室。体育の授業中、こっそりと持ち物検査にやって来た5人の教師による不穏な会話劇。1997年に起きた14歳の少年による連続児童殺傷事件や翌年の教師刺殺事件をきっかけに、少年のナイフ所有が社会問題となったことを背景に創作された作品。
殺人事件の犯人は双子で、主犯格の弟「幸司」は死刑、補助役の兄「憲司」は無期懲役がそれぞれ確定する。刑務官たちは死刑囚となった幸司と日々接するうちに、「死刑の在り方」について自らに問い直していく。というのも死刑囚となった幸司は驚くほどの真人間へと更正していくのだが、無期懲役の憲司は自分の罪に真摯に向き合っているとは言い難かったからである。刑務官たちの心は揺れる。死刑は廃止すべきと考える者、刑が確定し
日本アニメ(ジャパニメーション)はなぜ世界中の子供たちを魅了するのかーー。 奇跡に奇跡が重なって、ジャパニメーションの現在がある。 生い立ちの感動的な瞬間を舞台化し その黎明期を虚実を織り混ぜながら真相に迫るーー
四代目座長生瀬勝久のもと、前年『冬の絵空』で東京本格進出を果たした関西小劇場演劇界の重爆撃機「劇団そとばこまち」による1993年の作品。
沈黙と禁忌を破った娘は、ついに王を訴える。恋人が加勢し、侍従が引き止め、一般人が乱入し、王は思い悩む……これは混線するリアリティショー? それとも繰り返し再生されるテープレコーダー? 第63回岸田國士戯曲賞受賞作『山山』に次いで松原俊太郎が地点に書き下ろした本作のテーマは、「天皇制」。本作はコロナ禍にあって劇場での鑑賞を前提とした〈劇場版〉と〈オンライン版〉の2バージョンが制作された。
80分しか記憶が持たない数学博士と、シングルマザーとその息子の心温まる交流を描く感動の物語。ミリオンセラーとなった原作を、博士との交流による母と子の心の変化を軸に舞台化。2007年に文化庁の事業に採択され、小規模校などでの上演も実現、子ども劇場、演劇鑑賞会、実行委員会など様々な形態で2010年まで巡演を続けた。また2014年からは外部の演出家による新たな舞台を創り、巡演も行った。
時はとあるアイドルグループの解散が発表された2016年。泡之介とBBQは、学生時代の友人・午前二時の結婚式に向かうため、車で常磐自動車道を下っていく。目的地は仙台。10年前に同じく仙台を目指して3人で旅をした4日間を、10分の演劇にして余興で披露する予定だ。東京から守谷サービスエリア、会津若松、いわき、松島、石巻を巡る2016年の2人の旅路は2006年の3人の旅路と重なり、行ったり来たりを繰り返す
青年が死んだ。死因は心臓マヒ。26才、未来産業としての原子力にあこがれ、原子力発電所に就職して、七年目の死だった。息子はなぜ死んだのか。母親の、なりふりかまわぬ追求で知られていなかった事実がつぎつぎと浮かび上がる…。息子を思う母親のひたむきな愛があきらかにした原発の真実!1982年には福島や新潟、福井をはじめ、原発所在地や建設予定地など、日本縦断公演を実現。
『父と暮せば』で原爆投下後のヒロシマを描いた井上ひさしが、桜隊の史実をもとに原爆投下直前の広島の3日間を舞台に、戦時下でも演劇を愛し、芝居の力を信じ、「一人ではできないことをしている、一人の人間の力をはるかに超えたなにか大きなもの、なにか豊かなもの、なにかたのしいもの、それを望んで、それをたしかに手にいれている」と身も心も捧げた人々の苦難と喜びを、笑いと歌声を交えながら描く“演劇讃歌”の物語。
『リセット』の3つのコンセプト-〈登場人物をリセットする〉この芝居には過去の作品に登場した人物がキャラクターもそのままに、続編のように再登場します。例えば『ONとOFFのセレナーデ』の葬儀屋のヤリタイと看護婦の深町、『眠れる森の死体』の外科医の猪瀬・境など。つまり、過去の作品の登場人物たちがこの『リセット』という作品にリセットされるわけです。〈観客がリセットする〉この作品では時間的つながり、登場人
四国の田舎で隕石を拾った天文マニアの男たちの物語。その隕石は見た者の思考を奪い、時間を止めてしまう。誰かの手を借りない限り目をそらすことはできず、一人で見たら最後、餓死するまで見続けることになる。もう一つの特徴は、見た者に恐ろしいほどの幸福感を与え、見た時間の記憶は無く、ただ幸福感だけが残される。天文マニアと隕石の出会いから、100年後の行く末までを、日常がズレで大状況になっていく「イキウメ・スタ
2007年に旗揚げ準備公演でスタートした『虚構の劇団』の解散公演として上演した『日本人のへそ』(作:井上ひさし、演出:鴻上尚史)吃音症患者を集めた治療劇として、浅草のストリッパー、ヘレン天津の半生を劇中劇で描き、そこから物語は二転三転していく。井上ひさしさんの若い才気とエネルギーに満ちあふれたデビュー作に、虚構の劇団の総力を上げて、真正面から取り組んだ意欲作。
輝く星空、あなたは何を思いますか?戦火の中、たくましく生きている子供たちの物語。 タリバンに制圧されたアフガニスタン・カブール。女性は仕事を追われ、家の中にいなければならなくなった。女の子は学校にも行けなくなり、外出には男性同伴で少女は大きなスカーフを、おとなの女性はブルカをかぶらなければならない。 そんな中、父をタリバンに連れ去られた少女パヴァーナは家族のために少年として市場に出かける。少女だと
高校の同級生カナコの突然の事故死から一ヶ月後、東京に住むわたしと地元高知に住むマナカの二人は須磨に住む高校の同級生、藤くんに会いに行くことになる。旅の途中、ヒッチハイクをしていた松田さんとサービスエリアで出会うが。本作はムニ『カメラ・ラブズ・ミー!』(2022年、こまばアゴラ劇場)で上演された作品です。
昔一人の歌い手がいた 歌を愛し歌に愛された彼女 だが戦争が彼女から歌を奪おうとした 歌い手とその歌にほれ込んだ仲間たちは誇りを胸に皇軍尋問の旅に出る 歌に生きた一人の女とその歌を愛した人々の物語
アウシュビッツ博物館(ポーランド)から東京のホロコースト教育資料センターに貸し出された茶色い古びたかばん。かばんには、ハンナ・ブレイディ 1931年5月16日生まれ ドイツ語で“孤児”と大きく書いてありました。ハンナは、どんな女の子だったの?劇団銅鑼アトリエ、東京芸術劇場ほか様々な場所で・・・あなたとハンナを探す旅が始まります。
ある日、綿子と不倫相手の木村が会っていた帰り道で、木村は車に轢かれてしまう。遠くから事故を見ていた綿子は助けずにその場を去り、大学講師の夫と、夫の連れ子である中学生の息子の居る家へと帰ってゆく。やがて綿子は訃報を聞くが家族の前では悲しむことができず、自身の行動を後悔し始める。そんな時、綿子は夫から家族関係の再構築を提案され、木村の死を抱えたまま流されるように再構築を始める。
〈遊行の景色〉においては、<移動>を主題に、演劇を固定した場所性から解放し、より多義的な関係の渦のなかに投げ出してみることが試みられた。檜枝岐、および利賀の野外を観客とともに移動しつつ、身体、映像、オブジェ、マシン音楽が多層的に交錯するなか、〈移動〉の理由を、「風景」に定住する私たちの〈狭生感〉を、逆説的に追求する上演となった。
(フライヤーより抜粋)「場所と思い出」「雰囲気のある死体」といった別役氏の戯曲を読んでは、あまりのくだらなさに何度も吹き出し、電車の中や図書館で恥ずかしい思いをしていた高校時代の私にとって、別役実という人は”ナンセンス・コメディの巨匠”でした。─ケラリーノ・サンドロヴィッチ
生きることは絵空事、束の間の妄想にすぎない。うつつか夢か、光か影か、桜か雪か……真を求めて偽に出会う。舞台は百花繚乱元禄の世。あの「忠臣蔵」が、今、虚実の狭間に蘇る時は元禄。人気役者・沢村宗十郎(藤木直人)は豪商・天野屋利兵衛(生瀬勝久)に、娘のおかる(中越典子)を嫁にしたいと懇願するが、まったく相手にされない。大石内蔵助(橋本じゅん)は、主君・浅野内匠頭(中村まこと)が吉良上野介(粟根まこと)と
現代スペイン演劇連続上演No.1
あぶない時代とあぶない街には美しい物語が潜んでいる。この物語は80年代後半のマドリッド旧市街に生れた現代のスペイン論であり、長い牛睡から覚めた現代のウエストサイドストーリーである。
「いますぐそいつを脱げ」「なぁに、世界なんてまた作ればいいんだ。2人で!今宵から!」世界的ベストセラー小説「百年の孤独」にパパ・タラフマラが挑む! 設立時からの念願が24年の時を経て実現した。超現実的で、生々しく、時にユーモラスな、ブエンディーア一族百年史。ガルシア・マルケスの「百年の孤独」からインスパイアーされた本作は、現実と非現実の境目を自在に行き来しながら、性欲に溺れ、孤独に悶える、悲しくも
(フライヤーより)「夏の夜の夢」おれはキューピッドの矢が落ちた場所を目にとめておいた。それは西方の小さな花に落ち、純白であった花びらも恋の傷にいまは真紅に染まった。乙女たちはその花を「恋の三色スミレ」と呼んでいるそれを摘んでこい、いつか教えてやった花だ、その汁をしぼって眠るものの瞼に注いでおくと、男であろうと女であろうと、目が覚めて最初に見たものを夢中に恋してしまうのだ。「十二夜」あら、早まっては
様々な女性の恋愛を描いたひとつの町で起こる3話オムニバス。■ものがたり(1)新製品の開発に励むおもちゃ会社の社員たち。遊び半分で匿名投函の目安箱を設けたところ、上司と部下のドロドロ不倫など同僚の裏の顔を告発する内容が多発する。(2)自宅マンションの隙き間に挟まった子供を助けたいが、ダンスパーティーにも行きたくてたまらない夫婦。遊び仲間の乱入は事態を悪化させていく。(3)芸能事務所と称して若者をスカ
かつて庶民の希望であり、羨望の的だった「大衆演劇」移り変わる時代に翻弄され衰退する一座。その楽屋から漏れる光と影...そして夢。人情・縁...人生。数々の名台詞が、舞い散る雪のように降り積もる。女座長・中村梅子一座は、人気の老舗大衆演劇一座だった。しかし時代はまさに戦後の娯楽ブーム。役者は次々と去り、わずかに残った役者にも不平不満が渦を巻く。問題山積みの一座を救おうと、座長が運命をかけて演じた一世