■架空の劇団とは■
1990年旗揚げ。毎月新作を上演する「一月一本勝負」やアゴラ劇場大世紀末演劇展への参加等、精力的に活動するも1996年解散。
架空の劇団という名前を消してしまうのが惜しく、2001年復活。現在劇作家2人体制。寺で結婚話を描く「お寺シリーズ」や、産婦人科のロビー、 保育園などを舞台とする、生活に根差した作品を得意とするくらもちひろゆきと、詩人をモチーフにした「月下の一群シリーズ」のほか、歌人や歴史上 の人物などが登場する作品を得意とする髙橋拓。
■渡辺源四郎商店とは■
畑澤聖悟作品を中心に青森市のアトリエ・グリーンパークを拠点に活動する劇団。2005年にスタートしたプロデュースユニットでの活動を経て、2008年に劇団としての活動を開始。高校生や中学生のための演劇WSも積極的に展開している。畑澤の指導を受けた青森県立青森中央高校演劇部出身の若手の他、80代、70代の俳優も擁し、幅広い年齢層の俳優とともに現代口語演劇の最先端に挑み続けている。
その日、男はその地に向かっていた。あらゆる公共の交通機関が止まった。しかし、男はその地に行かなければならなかった・・・。
1908年(明治41年)、日本鉄道がスコットランドに発注した比羅夫丸と田村丸が青函航路に就航。日本に初めて導入される最新鋭のタービン船である。日露戦争に勝った日本は世界の一等国の仲間入り。近代化はどんどん進んでゆく。比羅夫丸と田村丸は日本の物流を支える主役として脚光を浴び続けるが、その栄光は長く続かない。本作は運輸史、船舶史の観点で捉え直す明治、大正、昭和である。
東京都内にあるカトリック系私立女子中学校の会議室。そこに、集まる数人の男女。いじめ自殺死した子供の遺書に書かれていた、いじめ加害者の親たちである。それぞれ、年齢も、生活環境も、職業も違う親たちは、身勝手な事情から我が子を庇護する事に終始する。怒号飛び交う会議室。子供達のいじめを通して、それぞれの親たちの「顔」が浮き彫りになる。
【あらすじ】近未来。ある北の町が高レベル核廃棄物の最終処分場となった。無害になるまで10万年。核のゴミを誰が見届けるのか?そして誕生する原子力ロボット「むつ」。むつは人類を救えるのか?【解説】第52回岸田戯曲賞にノミネートされた渡辺源四郎商店版と第60回全国高等学校演劇大会優秀賞の青森中央高校版をベースに改変された。日本最大の演劇祭フェスティバル/トーキョー14の招聘公演。渡辺源四郎商店+客演+青
畑澤聖悟が死刑員制度という架空の制度を土台に作・演出した『どんとゆけ』『あしたはどっちだ』に登場する青木しのの前日譚として、工藤千夏が作・演出を担当した作品。元・医師が死刑囚という設定の物語は、死刑、安楽死・尊厳死について深く考えさせる。
『どんとゆけ』『どんとゆけ』の設定は、死刑執行に被害者遺族が関与できるという、架空の「死刑員制度」が施行されている世界。青森県津軽地方のある家に一人の死刑囚が連行されてくる。この家には獄中結婚により妻となった女性が暮らしており、これからここで死刑が執行される。死刑執行のために現れた被害者家族と、死刑囚の妻であることに酔いしれているような女と死刑囚らの、執行までの濃密な時間のドラマ。初演は2008年