メメントCは嶽本あゆ美・大内史子・杉嶋美智子の三人の女性演劇人が2008年に結成した団体。劇作家・嶽本は歴史と社会、そしてアジアの女性のジェンダー問題についての作品群を創作し、その戯曲は社会への直接的なコミットメントをしている。また最近では、医療ケアの現場や難民問題など「代弁者としての演劇」を発表している。代表作に「安全区/Nanjing」「太平洋食堂」(門真国際映画祭舞台映像部門・大阪府知事賞)「ダム」(文化庁芸術祭優秀賞)など。
高齢化社会の難治の病であるアルツハイマー病。病気の進行により、記憶によって形作られる個人のライフヒストリーが不確かとなり、パーソナリティーまでも変貌する時、愛はどう記憶されるのだろうか? 本作はアルツハイマー病で記憶を失っていく医師と、消えゆく過去に翻弄される家族の物語である。魂と心の深淵をドラマによって探る濃密な舞台作品。綿密な取材と圧倒的な描写で病の世界に漂う主人公の心象風景と、その修羅の家族
明治百五十年異聞
あの「太平洋食堂」が再々開店!あらすじ:明治末期の大逆事件を廻る演劇。日露戦争開戦の年、大石誠之助は洋食レストランを開いた。アメリカ帰りの誠之助は、ドクトルと呼ばれ町の人々に親しまれる。とびきりシニカルでへそ曲がりの誠之助は、時代に抗い、社会に声をあげ続け、人々の間に騒動を巻き起こす。同じころ、浄土真宗僧侶の高萩懸命は南無阿弥陀仏を唱えながら煩悶していた。「なぜ、人に上下があるのか?」熊野・新宮を