2017 年に愛媛大学医学部演劇部を母体とし医師と医学生の劇団として結成。脚本・演出を務める本坊由華子は現役精神科医である。現在は作品ごとに俳優を集めるプロデュース集団として活動している。戯曲に書かれる言葉は、幻想的で熱を持った劇文体を特徴とし、医学用語を詩的に用いた独自の語り口「サイエンスポエム」も得意だ。また、躍動感溢れる身体表現を積極的に取り入れたフィジカルシアターの手法も作風の一つである。
東のはずれに、ある島があった。街には多くの人が溢れ、人々は行列になって進んでいく。行列の先には真っ赤に燃える炎があった――――。五輪の聖火、命の灯、誹謗の炎上、祈りの煙。社会を焼き尽くす数多の炎を、芥川龍之介の「アグニの神」をモチーフに描く。世界劇団が全人類に捧げる人間賛歌。身体と言葉を燃やし、炎の創成記を紡ぎ出す