女は一人、男と暮らしていた。
男は立ち入り禁止の扉の奥で、よからぬことをしていた。
扉の隙間からは、黑い水が零れ落ち、
それは、川になり海に続いていた。
急激に変わりゆく時代の中、
痛みは悦びに転じて、抑うつは期待に昇華されていく。
偉業と悪行の狭間で、何かが零れ落ちていく———。
グリム童話「⻘髭」をモチーフに、隠された医師の戦争犯罪にメスを入れる!
世界劇団最新作!
ノンストップ三人芝居!開幕!
2017 年に愛媛大学医学部演劇部を母体とし医師と医学生の劇団として結成。脚本・演出を務める本坊由華子は現役精神科医である。現在は作品ごとに俳優を集めるプロデュース集団として活動している。戯曲に書かれる言葉は、幻想的で熱を持った劇文体を特徴とし、医学用語を詩的に用いた独自の語り口「サイエンスポエム」も得意だ。また、躍動感溢れる身体表現を積極的に取り入れたフィジカルシアターの手法も作風の一つである。
東のはずれに、ある島があった。街には多くの人が溢れ、人々は行列になって進んでいく。行列の先には真っ赤に燃える炎があった――――。五輪の聖火、命の灯、誹謗の炎上、祈りの煙。社会を焼き尽くす数多の炎を、芥川龍之介の「アグニの神」をモチーフに描く。世界劇団が全人類に捧げる人間賛歌。身体と言葉を燃やし、炎の創成記を紡ぎ出す
日本最古の物語である「竹取物語」をモチーフに現代社会を抉り出す。「人にあらざりけり」と称されたかぐや姫は人ではないのか。人であること、人でないことの定義とは何なのか。古語と現代語を駆け巡り、言葉と身体を捧げ「人とは何か」を痛烈なまでに追究する。これは、全ての生命への祈りである。人の世への願いである。呱々の声に耳を傾けよ。