源平合戦後も平家残党が生き延びていたという設定のもと、平家武将たちと源 義経の“その後”を描いた「義経千本桜」は全五段の傑作長編。その二段目「渡海屋・大物浦の場」は、海に身を投げて自害したはずの平知盛が、船宿の主人となり義経に復讐を企てる物語です。変わりゆく時代の中、変わらぬ信念で戦った知盛の姿は、今どんな相貌をもって現れるのか。平成から令和の改元、疫病による日常の変化を受けての2021年版を演出
谷崎潤一郎『春琴抄』を原案に3箇所同時にパフォーマンスが行われる観客回遊型の作品。6人の俳優が3組の分かれいくつか同じ場面を入れ替わり立ち替わり演じながら上演は進んでいく。学校レイヤーと春琴抄レイヤー、また現実と地続きである劇場レイヤーがシームレスに入れ替わることで「みられる側/ケアされる」と「みる側/ケアする」が逆転していく。また、観客回遊型であるからこそ、みる/みないの選択も観客人身に委ねられ
海岸沿いに透明な壁が建てられた。その壁を通して眺める海は、いくつもの過去が折り重なってみえるらしい。 たくさんの人たちが壁のもとに集まってくる。目の見えない綱渡り師、透明人間の恋人を探す女性、窓ガラス清掃をする元役者、スノードームをつくる 観光客、ミノタウロスとくだんのあいだに生まれた未来のみえないこども。「私、フチになりたいんだ。麦わら帽子のフチとか、ルパンが盗む絵画の額縁とか、コップのフチ子と