谷崎潤一郎『春琴抄』を原案に3箇所同時にパフォーマンスが行われる観客回遊型の作品。
6人の俳優が3組の分かれいくつか同じ場面を入れ替わり立ち替わり演じながら上演は進んでいく。
学校レイヤーと春琴抄レイヤー、また現実と地続きである劇場レイヤーがシームレスに入れ替わることで「みられる側/ケアされる」と「みる側/ケアする」が逆転していく。
また、観客回遊型であるからこそ、みる/みないの選択も観客人身に委ねられる。
テヅカアヤノが主宰を務め、演劇・ダンス・ファッションショーなどシームレスな創作を行う団体として2021年に設立。当事者性を軸とする被害・加害関係の複雑さをテーマに、傷つきながら自己と向き合う時間をつくる「優しくないけど優しい芸術」を指向する。俳優・観客の安全を確保する線引きを行いながら、身体・空間への特徴的アプローチで堂々巡りや対立のフラストレーションをうず高く積み上げてカタルシスへと導く作風が特徴。