1969年ロンドン。若き実業家マードックが敏腕編集者のラリーを右腕に、落ち目の新聞「ザ・サン」を買収し、権威的で腐敗した新聞業界を打破すべく立ち上がる。野望の船に乗る人材集めにはじまり、既成勢力の圧力との闘いを経て、発行部数を増やしていく「ザ・サン」。そこには通俗に過ぎるという批判もあった。ある時、仲間の妻が誘拐され……。英国新聞界の史実と、鬼才ジェイムズ・グレアムの想像を輪転機に回したスピーディ
能楽「海人」と「源氏物語」のエピソードを現代社会で起きた事件にとり込み、重層的かつサスペンスフルな展開をみせる本作。ロンドンバージョンでキャサリン・ハンターが演じた放火犯・ユミを演じるのは大竹しのぶ。次から次へと人格が入れ替わっていく難役に、日本を代表する演技派女優が挑む。ユミの精神鑑定を行う医師役には、ロンドンバージョンと同じく野田秀樹。これが14年ぶりの舞台共演となる2人の対決に注目だ。ほか、
盛りを過ぎたストリッパー明美と、「ヒモ道」に徹するシゲ。そしてその二人をめぐる人々……行き場のない毎日を、それでも健気に生きる人々を描いたつかこうへいの代表作『ストリッパー物語』。この傑作戯曲に、若者の生態や性をリアリズムに徹した演出手法で赤裸々に表現し、国内外で高い評価を得ている演劇ユニット「ポツドール」の 三浦大輔が挑戦する。
日本の西の果て、田園地帯。農家の娘・百子は、「農業」という駅のベンチに座っている。農村の生活しか知らずに終わってしまうの…? そんな思いからふと電車に乗る百子。上京する電車賃を出してやった「毒草研究家」ヤマモトは、その後の百子を見つめ続ける。原宿にたむろする少女からボランティア少女へ、そしてなぜか農業高校で米を作る「農業少女」へ…。
小さな町工場を経営するアキトシは、妻のサチコとともに自らの工場で働いていた。近くのプレハブ小屋に住む弟のミチオは、壊れた機械を見ると直さずにはいられない電気修理工。なぜかアキトシに監禁されており、小屋と右足とを鎖でつながれていた。一方サチコには、かつてミチオに強姦された過去があり、未だ不倫関係にあった。そんな中、工場の新しいアルバイトとしてケイコがやって来る。ケイコは、壊れた携帯電話を直してもらっ