1969年ロンドン。若き実業家マードックが敏腕編集者のラリーを右腕に、落ち目の新聞「ザ・サン」を買収し、権威的で腐敗した新聞業界を打破すべく立ち上がる。野望の船に乗る人材集めにはじまり、既成勢力の圧力との闘いを経て、発行部数を増やしていく「ザ・サン」。
そこには通俗に過ぎるという批判もあった。
ある時、仲間の妻が誘拐され……。
英国新聞界の史実と、鬼才ジェイムズ・グレアムの想像を輪転機に回したスピーディな評伝劇。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1944年2月に青山杉作、千田是也、東野英治郎、小沢栄太郎、東山千栄子、岸輝子ら10名の同人をもって出発した劇団俳優座は、常に高い理想をかかげ演劇の正道を目指し活動を続け、創立80周年に向けてさらに前進を続けます。
スペインの港町カディス。ある夜、彗星の光が町を覆った。数日後、夏の陽光に市場も民衆も活気づくある日、一人の男が女を従えて町に現れ、戒厳令が敷かれる。COVID-19禍、ベストセラーとなったカミュの『ペスト』。彼がその小説をものした翌年、自ら戯曲として発表したのが『戒厳令』だ。ナチスに対抗するレジスタンスの「寓話」とも称される作品。「ペスト」と名乗る支配者に挑む青年医師ディエゴ。果たして……。
1968年北国の夏の海辺に、突然出現した正体不明の女、煙に巻かれてしまう保養所の医師。二人が相手のことが気になりだして言葉を交わすようになったのは、しばらくたった音楽会の帰り道のことだった。二人は若くない。それが惹かれあった。普通の幸せをあまり貰っていなかった二人。ひとりぼっちだった二人。他の何百万人の男と女のように戦争で手ひどい仕打ちを受けた二人の慎ましいお話。そして、二人が別れる時がおとずれ、
これは夢遊の物語。彼女らは日本の中国侵略政策の犠牲となり、かつて”満州”と呼ばれた地に送り込まれ、敗戦後四十七年を捨て置かれた激動昭和の落し子である。その残像の中に去来する一人一人の影と呟き合い、罵り合う慚愧と悔恨の綴れ織である。日本および日本人を深くえぐり、人間の暗部をあらわにして喜劇的側面を描出するに得意な藤田傳の劇団俳優座に初めての書き下ろし作品。
調停人ジャック・マニングの招集により住民会議に集まったのは展示会施工会社で働くグレン、その母と幼馴染の友人。そして、経営者はじめ上司、同僚ら9人。社内で暴力沙汰を起こし解雇されたグレンをめぐって、面と向かって論議が交わされ、明るみになる真実…。日本ではまだ馴染みのない「修復的司法」を世に問うオーストラリアの作品。