高原のサナトリウムで静養する人、働く人、面会に訪れる人…。静かな日常のさりげない会話の中にも、死は確実に存在する。平田オリザが新たに見つめ直す「生と死」。1991年初演の名作を、青年団若手公演+こまばアゴラ演劇学校“無隣館”修了公演として9年ぶりに再演。
1919年3月1日、ソウル(当時の呼び名は京城)。この街に住む日本人の一家、篠崎家の人々は、今日も平凡な日々を過ごしている。ただ、今日は少しだけ外が騒々しい。噂では、朝鮮人たちが、通りにあふれているという。篠崎家からも少しずつ朝鮮人の雇用者が姿を消していく。三・一独立運動を背景に応接間で唄い、笑い合う支配者日本人の「滑稽な孤独」を鮮明に表した渾身のシリーズ第二弾。
文学とは何か、人はなぜ文学を欲するのか、人には内面というものがあるらしい。そして、それは言葉によって表現ができるものらしい。しかし、私たちは、まだ、その言葉を持っていない。この舞台は、そのことに気がついてしまった明治の若者たちの蒼い恍惚と苦悩を描く青春群像劇である。
202×年、ヨーロッパの大戦で死亡した天才科学者の脳だけが生きのこる。その脳の受け入れを巡って延々と交わされる先端科学の議論と膨大な無駄話。
日本の某国立大学の生物学実験室。遺伝子操作の技術が急速に進む中、猿を人間へと進化させる「ネアンデルタール作戦」はより進展し、作戦をいよいよ実行へと移そうと全国から猿の専門家たちが続々とこの研究室にやってくる。遺伝や進化などの最先端技術の話題から、自分たちの恋愛や結婚といった日常にまで飛び交う雑談。日本が世界に誇る「猿学」から、独自の人間論、日本人論が展開していく。