日本の某国立大学の生物学実験室。
遺伝子操作の技術が急速に進む中、猿を人間へと進化させる「ネアンデルタール作戦」はより進展し、作戦をいよいよ実行へと移そうと全国から猿の専門家たちが続々とこの研究室にやってくる。遺伝や進化などの最先端技術の話題から、自分たちの恋愛や結婚といった日常にまで飛び交う雑談。日本が世界に誇る「猿学」から、独自の人間論、日本人論が展開していく。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
平田オリザを中心に1982年に結成された劇団。こまばアゴラ劇場を拠点とし、 平田オリザが提唱した「現代口語演劇理論」を通じて、新しい演劇様式を追求。この演劇理論は1990年代以降の演劇界に強い影響を与え続けている。 また、複数の演出家、劇作家、多数の俳優を有し、日本では珍しい「シアターカンパニー」として活動を続けており、若手アーティスト育成の場としても着実な実績を上げ、才気あるアーティストを多く輩出している。 2020年に劇団の機能を兵庫県豊岡市に移し、豊岡から演劇作品を創作・発信している。
ここで生きるのではない、ここで死んでいくんだ。マレーシアの日本人向けリゾート地を舞台に、日本を離れて暮らす人々の生態を克明に描く。定年移住、新しい形のひきこもり、海外雄飛、日本離脱・・・、国際化の最先端か、新しい棄民か。5年間の取材を経た平田オリザの書き下ろし。
生活困窮者やドメスティック・バイオレンスの被害者などの一時避難を扱う駆け込み寺型NPOのオフィス。NPO幹部職員の不祥事を抱えて、全員の善意が空回りし、喜悲劇が繰り返される。ボランティア団体の日常を精緻に描きながら、現代社会の実情に鋭く切り込み、一方で「人を助ける」とはどういうことかという普遍的命題に正面から取り組む問題作。構想10年、平田オリザ待望の新作書き下ろし。
東京都内某所の雨が続く工事現場に、折り悪く遺跡が発見される。遅々として進まない工事。工事現場の人々、発掘の学生達、ゼネコン社員や文化庁の職員など、様々な人間達がだらだらと集まる飯場に、ユーモラスな会話が、いつ果てるともなく繰り広げられる。青年団史上、もっともくだらない人情喜劇。
フランスを代表する劇作家・演出家パスカル・ランベールと、平田オリザ率いる青年団との国際共同制作作品。ランベールはジュヌヴィリエ劇場の芸術監督時代に、数多くの日本の演劇人たちを招へいし、日本の現代演劇の魅力をフランスに紹介するとともに、今日に至るまで定期的に来日、日本各地の劇場にて作品を発表。とりわけ平田とは信頼関係を築き、「青年団」の拠点・こまばアゴラ劇場との協働プロジェクトを数多く実現させてきた