2012年に発表した『現在地』より、演劇に対する態度を大きく変化させた岡田利規。そこには、震災とそれによって引き起こされた日本の社会状況がまぎれもなく影響しています。今作『地面と床』で、その変化がもたらしたフィクションへの探究をより深めて描き出したのは、"そう遠くない未来の日本"を舞台にした死者と生者の物語。さらに、これまでにも取り組んできた音楽とパフォーマンスの関係性をより発展させるべく新たなア
ある契約社員の女性がファミレスで毎日の出勤前に過ごす、ささやかで、大切でちょっと異様な30分の「フリータイム」を描く。チェルフィッチュは本作で、これまでに継続的に行われてきた演劇的ナラティブへの模索を、さらなる抽象へ向けて加速させた。KUNSTENFESTIVALDESARTS(ブリュッセル)、Wiener Festwochen(ウィーン)、Festival D'automne(パリ)による初めて
舞台は、衆議院選挙が行われた2009年8月30日とその前日。高層マンションの購入を控えたある裕福な夫婦とその周辺の人々をめぐって、彼らの抱える漠然とした不安が語られる。この時代における「幸福」とは何かというテーマのもと、格差社会の見えにくい現実を、平易なテキストと、おざなりな表象行為を排した身体によって浮き彫りにしていく。本作で、それまでのチェルフィッチュの方法論を次なる次元に押し進め、時空間をよ