2012年に発表した『現在地』より、演劇に対する態度を大きく変化させた岡田利規。そこには、震災とそれによって引き起こされた日本の社会状況がまぎれもなく影響しています。今作『地面と床』で、その変化がもたらしたフィクションへの探究をより深めて描き出したのは、"そう遠くない未来の日本"を舞台にした死者と生者の物語。さらに、これまでにも取り組んできた音楽とパフォーマンスの関係性をより発展させるべく新たなアプローチに挑み、チェルフィッチュにしか作れない「音楽劇」を目指しました。岡田利規とチェルフィッチュの、新機軸にご期待ください。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
岡田利規が全作品の脚本と演出を務める演劇カンパニーとして1997年に設立。
独特な言葉と身体の関係性を用いた手法が評価され、現代を代表する演劇カンパニーとして国内外で高い注目を集める。その日常的所作を誇張しているような/していないようなだらだらとしてノイジーな身体性は時にダンス的とも評価される。
日本現代演劇の潮流を変えた代表作、完全なる”再創造”90年代生まれの新キャストとともに放つ、集大成にして新たな挑戦が“演劇”をふたたび覚醒させ、”私たちの現在”を浮き彫りにする 2003年3月、アメリカ軍がイラク空爆を開始した日を含む5日間の東京の若者達の日常を描く「三月の5日間」。その言葉と身体の関係性を軸にした非類なき方法論によりそれまで当たり前とされてきた劇構造を根本から覆し、後に続く若手作
2012年、チェルフィッチュと岡田利規は、また新たなそして重要な変化の局面を迎えることとなりました。2011年3月11日に起きた東日本大震災とその後の原発事故によって大きく変わってしまった日本の社会状況に影響を受け、変化した岡田自身の演劇に対する態度が、まぎれもなく本作品に反映されています。不吉な雲と、村が破壊するという噂。噂を信じるのか、信じないのか。状況に対して変化するのか、しないのか。「村」
いま・ここにいる人間のためだけではない演劇は可能か?人とモノが主従関係ではなく、限りなくフラットな関係性で存在するような世界を演劇によって生み出すことはできるのだろうか? 東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市では、失われた住民の暮らしを取り戻すべく、津波被害を防ぐ高台の造成工事が行われている。もとの地面から嵩上げされる高さは10メートル以上。そのための土砂は、周辺の山をその原型を留めな
現代演劇×現代音楽=新たな“音楽劇”新たな“音楽劇”はどのように生まれるのか——。これまでも様々なかたちで“音楽劇”に挑んできたチェルフィッチュ/岡田利規と、世界的作曲家・藤倉大。現代演劇と現代音楽、それぞれのトップランナーがタッグを組み、2023年にウィーン芸術週間にて初演を迎えた本作。俳優は歌唱とは異なる手法で、そして音楽は情景や心情を描くものとは異なる在り方で、相互に作用することで、言葉と音