ある街に絵描きが居た。彼女は日頃からあまり人前に姿を見せず、絵ばかり描いて暮らしている。どうやらそれは、ちゃんとお金になっているようで、時たま人がやってきては、絵を買っていく。絵描きは生まれたときからこの街に居て、幼少期からずっと絵を描いていた彼女は、友達らしい友達も出来ず、周囲の人々に「変な子ちゃん」と言われ続けていた。そこへ、音楽家がやってきた。彼女はずっと各地で歌を歌って暮らしていて、ちょう
水たまりの月にちかづいちゃいけない。だって青空にはおひさましかいないから。そこはいま夜空のかがみじゃないから。水たまりの月をさがしちゃいけない。あなたのあおぞらが星空にかわるから。水たまりの月はかぜにゆれない。虚空のおとのなみにゆれる。水たまりの月はシーラカンス。おんなごころと秋の空。