北欧の夏。淡い緑のまぶしい自然の中で、白い夢のようにたゆたう愛と死と、罪と悔恨、そしてその果てに曙の光のように仄見える赦しの影…フィヨルドの暗い水底の静寂のうちに水死したエイヨルフの亡骸の、仰向けのまま大きく見開いた二つの瞳がそのすべてを見つめている――おそらくは、われわれの心の奥の闇の底まで。
1917年に泉鏡花によって書かれた戯曲。白鷺の名で呼ばれる幡州姫路の城の天守閣を舞台に演じられる<異界>の美しい女性と現実世界の若者との禁じられた恋の物語ー設定を作品が書かれた大正時代に置き換えて上演。
東北岩手から集団就職で上京した田舎娘は希望に胸膨らませていた。 しかし現実は、希望に膨らむ胸ではなく、彼女たちのはじけそうな二つのオッパイに、男たちの欲望がふくれてあがる。 職を転々、男を変転と流転続きで、果てはストリッパーへと転落なのか…、いやいや、男の玉を手玉にとって、天下に成り上がる。 その娘の名は、 ―ヘレン天津。 栗山民也の巧みな演出と小曽根真の新曲で誰も観たことのない、今、一番新しい井
青山演劇フェスティバル「別役実の世界1997」
『スパイものがたり』は、演劇企画集団66によって1970年に初演された。初演のパンフレットには《これは、幕間小景とエピローグのある四場のミュージカル芝居であり、同時に、舞台空間に於ける天文学である。》とあり、小室等が率いる楽団六文銭が音楽を演奏。劇中歌の「雨が空から降れば」はフォークソングの人気曲となった。本映像は「別役実の世界1997」をテーマに掲げた青山演劇フェスティバルの第一弾となった再演版