トリコ・A 演劇公演2021
脳性麻痺を患う主人公は、小さな町にある小さな寺で、両親と暮らしている。彼女の定位置は大きな松の木のある庭に面した縁側。ある時は父の読むお経とともに、ある時は縫い物をする母とともに、彼女の毎日は過ぎていた。ある日、父が倒れ、彼女のもとへ初めてヘルパーがやってくる。ところが主人公は、ヘルパーとどう接して良いのかわからない。彼女は悩む。私はヘルパーに、何をしてほしいのか。そもそも私はいったい、何を望んで
双子の少年たちの日記として描かれた原作小説『悪童日記』は、その文体が非常に無機質な点が特徴です。そこで今作品では、『悪童日記』の物語ではなく、文体を立体的に立ち上げることで、双子の目がとらえた戦時下の片田舎の風景を描くことに挑戦しました。5つの無機質な台と5人の俳優、抑揚を排した発語を使って、非常時にあらわになる人間の本質と、無機質な文体の奥にしまい込まれた双子の感情を炙り出します。
何かを盗みたい時は、最初に必ず、信用させるんだ戦争が激しくなる中、祖母の家に疎開した双子。しかし祖母は二人を労働力として酷使する。双子はこの悪夢を生き抜く為に、自らの精神と身体を鍛え始める。戦況は厳しくなるが、双子は靴屋・将校・神父など様々な人間に助けられ、時には利用し合って生き延びていく。そして戦争が終わり、父が訪ねてきた。その時、二人のとった行動とは。
人殺しを免除してもらおうと市役所に相談にやってきた男。しかし窓口の職員は冷淡に陳情をはねつける。諦めずに通ううち、職員もまた、この掟に翻弄されてきたことがわかり……。わたしには頭に爆弾の破片が入ったまま帰国した祖父がいる。現代に生きるわたしが祖父の死にまつわる真実を聞かされた時、目新しく残虐なものに興奮する自分の姿をそこに見つけた、そして思った。それは本当に真実なのだろうか。今作ではアルバニアの小
新たな切り口で脚本・演出が練り直され、初演から生まれ変わった “リクリエーション版“! アルバニアを代表する作家イスマイル・カダレの小説『砕かれた四月』を下敷きにしたサファリ・P固有のスタイルを駆使した身体、音、光、美術、身振りのアンサンブル作品母に遊びを禁じられて育ったネリネは、透き間風の吹きすさぶ荒涼とした心を隠して生きてきた。有名な小説家の恋人の座を得た彼女は、とある“しきたり”に縛られた山
ウソでもいいから ひとつになりたい今より少し未来のにほん。子供たちは子育ての訓練を受けた大人によって育てられていた。自由と平等が保障された理想的な環境で伸び伸びと育つ子供たち。しかしある日突然、子供の生活は生みの親に一任されるという通達が国から下される。国の決定に反発し、一丸となって子供を守ることを決意した大人たちはしかし、次第に不安という敵に飲み込まれ、分断されていく。国の顔色を伺うもの、大人の
とある老女。彼女は周りの人間から、それぞれが見たい姿を勝手に投影され、彼女自身が顧みられることはない。一方当人は、何もわからない風でいながらしたたかに生に執着している。社会から見えない存在にされても、息をしなくてはならない、なぜなら私は、生きているのだから・・・。人生の最終章。認知症を患いながらも周りの人間との関わりの中で、自分らしく生きることを選択する、老女の物語。
