海辺に佇む「糸屋」という名の家、そこでは主人と監視人たちによって支配されている12人の女たちが、昼間は糸を売り、夜になると色を売っている。そこに現れる「繭」という名の記憶を無くした少女。彼女の存在によって、糸女たちは教えられた身の上話ではなく、自らの物語を語り始める。少女もまた自らの記憶を取り戻し、自分がここに来た訳を思い出す。母親を殺しに来たのだ。ようやく糸女たちから母親を見つけた少女が見た本当
「昭和の恋 三部作」の第二弾として上演された。其の壱は昭和初期、其の弐は戦争直後、其の参は現代(昭和50年代)だった。仮に「せ・ん・そ・う」と名付ける出来事があり、互いに不在の時間があって、男たちと女たちが再会した時から物語は始まる。利賀フェスティバルに参加し(利賀山房)、その後名古屋(七つ寺共同スタジオ)、大阪(扇町ミュージアム・スクエア)、東京(T2スタジオ)と巡演した。劇団の最も円熟した時期
川島芳子(清朝王族の粛王族の娘として生まれ、日本人の養女として育つ。昭和初期に、日本、中国、満蒙を舞台に「男装の麗人」と呼ばれ暗躍した)を現実と虚構が入り混じった一人の女として描く。(以下、プロデューサー中島葵の言葉より)十数年前、川島芳子嬢の写真をフト目にしました。威丈高な男装とは裏腹な、骨細の、あまりに女性的な肉体が不思議な矛盾を生み、底知れぬ暗さをもたらし、最早、滑稽でさえある、という印象で