川島芳子(清朝王族の粛王族の娘として生まれ、日本人の養女として育つ。昭和初期に、日本、中国、満蒙を舞台に「男装の麗人」と呼ばれ暗躍した)を現実と虚構が入り混じった一人の女として描く。(以下、プロデューサー中島葵の言葉より)十数年前、川島芳子嬢の写真をフト目にしました。威丈高な男装とは裏腹な、骨細の、あまりに女性的な肉体が不思議な矛盾を生み、底知れぬ暗さをもたらし、最早、滑稽でさえある、という印象でした。が、このとき何かしら抜き差しならぬ恐怖染みたものに全身が襲われた気がしたことがどうも忘れられなかったのです。それは川島芳子からというより、私の方の底から疼き突き上げてきた何かでした。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
中島葵プロデュース