中村座は1940年代の葛飾の荒川土手の原っぱや、そこで遊ぶ大人だか子どもだかわからない人たちを主人公に、作者の育った原風景である下町の少年時代を描いた作品が多い。記憶のフィクション化とノスタルジーの舞台。 本作の正篇は、敗戦直後、駅向こうの怪しげな場所に出かけた悪童たちがそこで甘納豆をくれた娼婦を忘れられず、愛の手紙を書くが、娼婦はその返信にそれぞれ難題を与えるという物語で、娼婦はヤクザに殺され、
劇作家・犬井邦益のテキスト「会社の人事」は、中桐雅夫の詩集「会社の人事」に触発された短編戯曲である。これをそのまま演ずるのではなく、稽古場における数々のエチュードを重ね、テキストを徹底的に解体した後に、再構成した作品である。ワーショップを用いて作品作りする演出家・松本修の初演出作品である。