空がくっきりと青い昼下がり。この時間はバスの来ないバス停のあたりは、今日も相変わらずしんとしている。ここはめったに人の通らないところなのだ。そこへやってきた41歳のセールスマン風の男。彼は、通りかかった乳母車を押す女に、ここでバスの回数券をなくしたのだと語る。女の両親も加わって回数券の行方を追及するうち、ごみバケツから一本のドライバーが。これは頻発する自転車泥棒の道具か?あたりにはベンチと電柱柱に
劇作家・犬井邦益のテキスト「会社の人事」は、中桐雅夫の詩集「会社の人事」に触発された短編戯曲である。これをそのまま演ずるのではなく、稽古場における数々のエチュードを重ね、テキストを徹底的に解体した後に、再構成した作品である。ワーショップを用いて作品作りする演出家・松本修の初演出作品である。