元藤燁子は、土方巽由来の舞踏の表現を「マンダラ」として捉え、踊りに美術や照明、音楽が共鳴する舞踏の表現を目指してきた。そしてまた、文化が爛熟した江戸時代の粋で洗練された表象を自らの舞踏に取り入れることにも努めてきた。本作では、アスベスト館の小ぶりな空間を生かして、元藤はその卓越した舞踊の技術をもって小粋な踊りを披露しつつ、舞踏手たちの技術的な習練の成果を生かした作品に仕上げている。
Shu Uemuraの協賛を得て、清水晃や大串孝二の美術展やメイクアップショー、大野一雄・慶人舞踏公演など多彩なプログラムで展開された桐生芸術家会議2003。そのBプログラム「芸術のかたち:ダンスのばあい」参加作品。大串孝二による空間演出の中で演じる。