ポストモダンダンスが台頭してきていたニューヨーク留学から帰国した後の第一作目。全4章。公演プログラムには、次のようにある。豪華で荒涼たるショーウインドーのそばを押し流されていく生命/凍りついたショーウインドーのガラス生命の精神部分は/水アカのように遊離し/脱出する噛むということは/殺害行為/噛む/噛みつづける/噛みつづけている間 服を着ていすに腰かけ/ナプキンで口を拭く
反復しながら動きの緩急やアクセントの変化を試みた、ソロ作品。
『裂記号』シリーズ三作目。ダンサー三人は各自抱えた鏡の中だけを凝視し、日常的歩行やあおむけに倒れるなど単純な動作を行う。その後、スタジオ内のモノを鏡に映しこみ、その名や特徴を発語する。二人は廊下へ出て、観客は声の移動と内容から動きを察する。一人が舞台裏経由で戻ると、一人が消える。その循環は、鏡を置き、モノを直視する時も繰り返され、何も見ない記憶からの発語へと続く。最後に空間に対する動きが行われる。
強い光の線が床を二つに区切り、五人が激しく動きを展開する。厚木を中心に、二対のペア、渡辺と種子島、有富と江原が並ぶ。音楽はなく、厚木が呼吸のタイミングをつくる。駈け出して抱き合う、腹部を両手で叩きつける、足摺の加速、足首をつかむ、足裏を合わせる、回転、床運動などの動きが徹底して行われ、集約されてゆく。休憩を挟む計一時間強もの運動で、多量の発汗、呼吸困難、意志の制御と拮抗し合う生身の身体が現れる。
五人のダンサーが、暗がりの中、仰向けのまま足を宙にむけて回転させるところから始まる。次第に明るくなるが、この動きは続く。また肩で立ったダンサー達が反り返ってブリッジになり、床に落ちる。足が床に鋭く大きな音を立てる。それを主軸に、手や足でしきりと床をたたく。ダンサー達はこのフレーズを繰り返しながら円環をなす。作品の途中、五人が一列に身体を重ねるように並び、二、三センチというわずかな歩幅で行進する。
dance today '75
『裂記号』シリーズ(1975−1982)は、1975年にはじまり、同年に『裂記号2』が、その後1982年までの8年間で『裂記号8』までが発表された。『裂記号』は造語で、「記号は破られるために」あり、「裂かれる運命に」ある。『裂記号2』初演はユニーク・バレエシアターであったが、その後フランス、ジャンゼリゼ小劇場(1975年国際ダンスフェスティバルに参加、第三位)、そして西武劇場(厚木が企画した「DA
80 夏・秋ダンス・コレクション
10の動きを様々に組み合わせを変化させて構成された、ソロ作品。