あまおへ(阿麻和利)が登場します。阿麻和利は、自分が天下をとるために、邪魔者であった護佐丸を亡き者にするために首里王府に嘘偽りを言って攻め滅ぼさせました。さらに、近い内に首里王府も滅ぼそうと企んでいます。天下を欲しいままにしている威厳を、阿麻和利は〈七目付〉という荒事で表現します。阿麻和利は供を呼び出し、野遊びの準備を言いつけます。
首里(しゅり)の下級士族である森川の子は、不幸が続いて生活が成り立たなくなったので、妻の乙樽と幼い息子・鶴松を残し、遠く離れた山原(やんばる)へ働きに行きます。一方、首里の良家に乳母として奉公をしていた乙樽は、何事もなく平和に暮らしていましたが、12年もの歳月が流れていました。ある日、乙樽は成長した鶴松を連れて、津波村にいると聞いた森川の子を探しに旅立ちます。2人は猿引きに出会い、猿の芸を見て、旅
主君・棚原按司を、天願の按司に滅ぼされた富盛大主は、主君の奥方と息子二人を連れて落ちのびます。天願の按司が本部山へ狩りに出るという噂をききつけた富盛大主と棚原の若按司は、先回りして山に潜み、天願按司一行を待ち伏せ、仇討ちの機会を狙います。