1980年代、神奈川県逗子市。アメリカの接収地となった池子の森を米軍人の住宅地にするという。住民は賛成派と反対派に割れていた。政治に無関心を装い趣味に没頭する夫と、基地建設反対運動に奔走する妻。明治生まれの祖父と祖母、OLの娘と浪人中の息子。日々の生活を平穏に過ごしているはずだった。しかしある日、ある告白をきっかけに、三世代が同居する家族の中で平和の均衡が崩れ、国境線が引かれていく。
慶応二年冬、駿州清水仲町次郎長宅から祝言の歌が聞こえているが、現れた若い渡世人綾太郎は甲州黒駒一党の不穏な動きを告げる。次いで現れた新徴組取締役山岡鉄太郎が徳川の為に一肌ぬげと次郎長を口説くがはねつけられる。婚礼の夜は一転血しぶき散る修羅場となった。宿敵の出入は多数の死者を出して一旦おさまるが、次郎長の怒りはやがて伊勢荒神山の決闘へと発展する。喧嘩出入りに明け暮れる次郎長だが、時代は江戸から明治に