慶応二年冬、駿州清水仲町次郎長宅から祝言の歌が聞こえているが、現れた若い渡世人綾太郎は甲州黒駒一党の不穏な動きを告げる。次いで現れた新徴組取締役山岡鉄太郎が徳川の為に一肌ぬげと次郎長を口説くがはねつけられる。婚礼の夜は一転血しぶき散る修羅場となった。宿敵の出入は多数の死者を出して一旦おさまるが、次郎長の怒りはやがて伊勢荒神山の決闘へと発展する。喧嘩出入りに明け暮れる次郎長だが、時代は江戸から明治に劇転、身をすり寄せるか蹴ちらすか、時代の荒波は容赦なく次郎長を翻弄していく。
劇団俳優座に在籍していた10名の若手俳優たちが日本の現実を反映させた創作劇の上演を強く願い、1954年劇団青年座を創立しました。現在劇団員と研究生をあわせ約200名が所属。創作劇の他、海外現代戯曲、過去の秀作等、幅広いレパートリーを有しますが、創立からの基本理念は変わることはありません。今後も日本の創作劇上演を柱にした公演活動を続けることによって、日本演劇の民主的発展に寄与し、舞台芸術を通して日本文化の向上をはかることを目的として活動します。
「違います!」被告・吉田静子の悲痛な叫び声が法廷に響き渡った。その罪は放火殺人。夫と姑を焼死させたのだ。東京地方裁判所に集められた様々な職業の十二人の男たち。決めつけ、戸惑い、無関心、心配事、様々な人間模様の渦巻く中、真実に向き合わされた十二人の日本人が出した結論とは?昭和三年から十五年間、日本でも陪審裁判が行われていた。
天草出身の巻多賀次郎は、上海を皮切りに大陸を渡り歩いた末、シンガポールに根をおろし、娼館「二十六番館」の主人となった。時は日露戦争前夜、多賀次郎と「からゆきさん」たちは、強い愛国心のもと、遠く離れた祖国と家族のために仕送りに精を出している。ついに日本は日露戦争に勝利した。しかし、時代は、彼らの思いとは反対の方向に流れ出す―。
劇団青年座創立60周年記念公演 第三弾
大正七年米騒動が起こったその夏、愛は福井若狭の寒村で祖母を見送った。愛の父宇助は地場産業を興そうとしたがうまくいかず田圃を手離し、あげく中風で寝込んでいる。宇助の面倒を看、妾に産ませた鉱太郎と千吉まで引き取って育てる母しん。翌年、愛はしんの後押しもあって棺桶作りの角治のもとに嫁ぐ。角治の母いしは、盲目だったが死ぬまで「ふれごと」をして村を歩いた。いしの日常はいつも明るく生活の知恵あふれ、その中で愛
ファイル4577、通称ナビ・スマイル。本名年齢国籍不詳、性別男性。身長175センチ、測定誤差±2。体重64キロ、測定誤差±1。職業殺し屋。19××年のある夏の日。彼のもとに謎の依頼人がやって来る。そこからこのストーリーは始まる。宗教と奇跡。そして核とSDI。与えられた時間は、ONE WEEK。