おしゃべりだった兄の話をしようと思って、中学2年生の兄は世界の中心だったと思うんです。兄が高校1年生の時、兄の不幸の始まりでした。先に言っておくと、兄はこの先壊れます。あともう一つ言っておきますと、これは「演劇」の話ではなくて、まずこれは「兄」という「人間」の話で。壊れていく「兄」と、滅んだ「僕」と。あと兄に関わった、兄を愛したり憎んだりした「周りの人達」の。まぁ別に大した話じゃありません。
獣三作
正木円治は、“寝取られ”の性癖を持つ夫婦やカップルとSNSで出会い、公認で依頼者のパートナーとセックスをする活動をしている。ある日、円治は星野夫婦から、精子提供という名の“孕ませ”の依頼を受ける。悩む円治だったが、認知はしないことを約束し依頼を引き受ける。医療機関を介さずに精子提供を行う男と、第三者に寝取られる事で愛を確認し合う夫婦の、現在とこれまで。生きづらい世の中を描いた《人と人と人》の物語。