おしゃべりだった兄の話をしようと思って、
中学2年生の兄は世界の中心だったと思うんです。
兄が高校1年生の時、兄の不幸の始まりでした。
先に言っておくと、兄はこの先壊れます。
あともう一つ言っておきますと、これは「演劇」の話ではなくて、
まずこれは「兄」という「人間」の話で。壊れていく「兄」と、滅んだ「僕」と。
あと兄に関わった、兄を愛したり憎んだりした「周りの人達」の。
まぁ別に大した話じゃありません。
キ上の空論は、2013年に中島庸介の舞台芸術を創造する場として、椅子さえあれば芝居はできる、と始まった個人ユニットです。大きなセットは組まず、役者の肉体と、会話言葉、軽快なシーン転換で『滑稽な人々の生活』を綴っていく。2015年「MITAKA“Next”Selection」選出をきっかけにスタジオ公演から劇場公演に進出。現在は本多劇場や紀伊國屋ホールなどの小劇場をメインに活動している。