英国演劇界の寵児、サラ·ケインの遺稿となった戯曲を飴屋法水が演出、ホーメイ (喉歌)歌手の山川冬樹と様々な国籍の職業俳優ではない役者と共に作り上げた舞台。劇場の観客席が今作の舞台。それと対面して、いつもの舞台上には特設の観客席が用意されており、ダークな照明の中、舞台前面では血のように赤いプールの水が滑らかに光っている。11人の役者たちはケインの詩のように書き連ねられた言葉を、彼らにとっての外国語=
にしすがも創造舎の校庭に掘られた穴。そのほとりに立つことからこの作品は始まる。穴がもたらした不安定な感情を抱きつつ、観客は地図を片手に周辺の3つの不動産を巡る。今は住む人もいない場所。だがそこに配置されたオブジェやキリストの最期を描いた「十字架の道行き」から引用したテキストは、「誰か」の気配を強烈に感じさせる。どこかのお妾さんが住んだという「だいだいの家」では庭先に、2階建ての白い「半分の教会」で