作品のベースとなったのは、組踊の「執心鐘入」と、そのもととなった、能楽の「道成寺」である。日本・沖縄で愛され続ける古典の傑作に、現代的な「愛」の解釈を加えた。「炎の鐘」は、沖縄伝統芸能の所作や舞踊をベースにその世界観を見事に表現した“新たな沖縄芸能の傑作”。愛し合っていると信じていた若松という青年の旅立ちに、激しく渦巻く女の執念はその身体を突き破り、女を蛇に変え、鬼に変える。そして灼熱の激情は、寺
2022年、沖縄は本土復帰50年の節目を迎えた。「9人の迷える沖縄人(うちなーんちゅ)」(2015年初演)は、1972年の沖縄本土復帰当時と現在を行き来する二重構造の物語を通し、過去と現在の沖縄に暮らす人々の多様で複雑な立場や心情を浮き彫りにする作品である。沖縄で生まれ、生活する劇作家、演出家、出演者だからこそ描ける繊細な沖縄人の想いからは、今なお続く矛盾、怒り、迷いが発せられ、はたしてこれらは「