放浪生活を続ける作演出の実体験を元に作られた、異国の密室劇。学生時代に行った初演が好評を博し、4度目の再演。中東の安宿を舞台に、バックパッカーたちが集う。青年団の冒険王を彷彿とさせるが、舞台はその数十年後。あり得なく見えて、ものすごくあり得る話。パスポートを申請して、飛行機の切符を買って、成田エクスプレスに乗って。そしたら着いた。マジで着いた。バザールが立ち並び、街中には水パイプの香り。笑顔でよっ
「マスク」の舞台となるのは、JR 常磐線の車内。登場人物は、異なる時を生きる高校生たちである。2020年5月15日、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除された翌日、感染症対策のためにマスクを着用して登校する高校生たち。2011年5月14日、放射線防護のためにマスクを着用し、避難先からサテライト校に通う高校生たち。2011年3月10日、マスクを着用せずに下校する高校生たち。出来事は過去に編入される
「長い正月」は、とある家族の1924年から2024年までの"100年の正月"を定点観測する、ささやかな大河劇。「人生は短い。この正月は長い」がキャッチコピー。誰にも平等に訪れる"正月"という時間を100年の長いレンジで扱い、戦争、震災、コロナ…といった歴史的事象を織り交ぜつつも、市井の人々の暮らしと営みに光を当て、ドラマを見出した。戯曲は上演後、演劇批評誌「紙背」に掲載。