〈現代日本演劇のルーツⅧ〉
〈現代日本演劇のルーツⅧ〉
洗練された演出と俳優の豊かな身体性で日本の名作戯曲を現代化し、注目を集めているエイチエムピー・シアターカンパニーの新作は、歌舞伎や文楽の金字塔「忠臣蔵」を上演します。 元禄年間の大事件「赤穂事件」を題材にした「忠臣蔵」を、現代の視点から大胆に解釈し、今回は、赤穂城の明け渡しから吉良邸討ち入り、吉良の首級をあげるまでを描きます。 「主君に対する忠義心」が美談として語られ、今も人気が絶えない「忠臣蔵」の世界をシュルレアリスム的感性で切り込みます。
あらすじ
いつまで謎のままなのか。浅野内匠頭を追いつめ、殿中(江戸城)で刀を抜き、吉良上野介に斬り付けたものの正体。三百年も前だからわからない。それですませて、できあいのモノガタリを芝居で何千何万回と繰り返した結果の今、なにがどうなっているのか。それも謎のまま― ここらでいっぺん、ランプ片手に謎のなかに入ってみよう。鬼は出る、蛇は出る、足元は崩れ、天に穴があき、ランプが刀にかわり、着ているものが火消し服になり、雪が舞い、首が落ちてくる。あゝ、そんな忠臣蔵。もう前へ進むしかない。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
オンデマンド配信。事前に会員登録が必要です。(月額1,045円)
大阪を拠点に活動する劇団。
「エイチエムピー」は “Hamlet Machine Project" の略。
1999年にドイツの劇作家ハイナー・ミュラーの『ハムレットマシーン』を上演するための「研究会」を結成。
その後、2001年から劇団として活動を始める。
その実験的な舞台創作とリアリティを追及する手法が評価され、かなざわ国際演劇祭、大阪現代演劇祭〈仮設劇場〉WA、精華演劇祭、演劇計画2007「京都芸術センター舞台芸術賞」など、数多くの演劇フェスティバルに参加している。 「現代美術」とも称される舞台空間と俳優の造形力に定評がある。