〈現代日本演劇のルーツⅨ〉
〈現代日本演劇のルーツⅨ〉
主君浅野のカタキの吉良の首をとった赤穂藩士の面々は死を待っている。討ち入りの武勇伝に沸く江戸の民、あれこそが忠義の行いマコトの武士と美談に酔う目付奉行大名たちに目もくれず。ただ幕府柳沢が命ずる切腹を待っている。が、将軍も天皇も赤穂に入れあげてしまった。柳沢もおいそれと切腹を言い出せない。薄笑いを浮かべる赤穂の者どもの目に映るのは、なつかしい故郷瀬戸内の海山、ノロノロとしか過ぎぬ今を埋める言葉との戯れが描く光と影、そして我らが死んだ後の世。その目線の先に私たちがいる。序破と続いた忠臣蔵は急で終わらない。完結はよみがえりだ。振り返って手を振って、「ここにいるぞ」と声を返してやって欲しい。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
オンデマンド配信。事前に会員登録が必要です。(月額1,045円)
大阪を拠点に活動する劇団。
「エイチエムピー」は “Hamlet Machine Project" の略。
1999年にドイツの劇作家ハイナー・ミュラーの『ハムレットマシーン』を上演するための「研究会」を結成。
その後、2001年から劇団として活動を始める。
その実験的な舞台創作とリアリティを追及する手法が評価され、かなざわ国際演劇祭、大阪現代演劇祭〈仮設劇場〉WA、精華演劇祭、演劇計画2007「京都芸術センター舞台芸術賞」など、数多くの演劇フェスティバルに参加している。 「現代美術」とも称される舞台空間と俳優の造形力に定評がある。