その川には、龍の女が住むという。
舞台は在りし日の東京。川や土と共に暮らす日々のあった頃。氷屋を営み、その財と力で名を馳せたある男と、その一族の物語。
その年の氷の味は、初雪の色と龍の機嫌で決るらしい。
川面を清める桜を待って、冬の星座が雪を降らす。
梳いた黒髪、銀の帯、結んだ小指のその先に。
「雪の白さに惑わされてはなりません。冷たく見えても、その下には、抗えないほど赤い血潮が隠れているのでございます。」
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1997年演出家・黒澤世莉のユニットとして設立。2009年劇団化。
マイズナー・テクニックを基礎とし、国内外の古典から書き下ろしまで幅広い演目を「俳優の声と身体と関係性だけでシンプルに立ち上げる」上演スタイルが特長。
2012年、はじめての全国ツアーを実施、以降、全国各地で作品創作・上演やワークショップを行なう。
2014年、スタジオ「十色庵」を開設。2016年末の『ローザ』を最後に解散。
『衝突と分裂、あるいは融合』で札幌劇場祭TGR2014 特別賞(作品賞)を受賞。