群像のロマンを目指し、奔放な語り口で定石外れのウソを描こうとした織田作之助。
その精神を受け継ぎ虚構をでっちあげ、織田の小説から夫婦のありようや下町の人間模様になつかしい大阪の人情をにじませた『オダサク、わが友』。
本作は、北村想が脚本を書き下ろし、新国立劇場での作品上演にて評価の高い深津篤史が演出を手掛け、2011年3月に初演されました。
今回、初演時のキャストに、新たなメンバーも加わり、予断を許さない関西の演劇状況の中で、再び、浪漫を求めた人情劇を織り成します。
あらすじ
戦前戦後の文学界に「無頼派」と称される作家が在った。坂口安吾、太宰治、そうして織田作之助である。 安吾と太宰は全国的にもてはやされ、いまに読み継がれる作品も多いが、織田作之助は『夫婦善哉』があるのみで、多くの斬新な文学や評論を知る人は少ない。また、太宰や安吾に比して、その人間像もあまり表に現れることがナイ。『オダサク、わが友』は、この大阪の無頼派、織田作之助にspotlightをあてた作品である。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
NPO法人 大阪現代舞台芸術協会(愛称DIVE)は、前身となる関西演劇人会議をへて阪神淡路大震災(1995年)を大きな契機として1997年に設立されました。演劇の社会への寄与と、環境整備に取り組み、さらなる事業の展開のためNPO法人化しています。
関西小劇場を支え、数多くの劇団を世に送り出してきた中島陸郎さん。そんな中島さんとゆかりのある4人の劇作家たちが、中島さんへのオマージュとして書き下ろした短編戯曲を40名以上の男女が演じます。演劇プロデューサーであると同時に、詩人でもあり、劇作家でもあった中島さん自身の言葉も盛り込んで、「人間・中島陸郎像」に迫ります。
二人の演劇作家が一つの文学作品を異なる演出で連続上演する「文豪コネクション」。今回は夏目漱石の初期作品『坊っちゃん』を泉寛介(baghdad café )とくるみざわしん(光の領地)が構成・演出します。文豪たちの名作を様々な角度から再発見する「文豪コネクション」にぜひお越し下さい。なお、本作品は、大阪と愛知、二都市間での舞台芸術交流プロジェク「AAFリージョナル・シアター2014~大阪と愛知vol