集落の神社に、神主の家族である矢口が訪れる。
矢口はそこで、社に住みつく山田という男に出会う。
そこに村の再開発を計画する業者の橋本と、
その為の調査を請け負った地質学者の曽我が現れる。
山田も橋本も、かつての神主である矢口の父親を知っていた。
ガスの流れに足止めされた三人に、山田は物語を語り始める。
社の周りには、口を利かない浮浪者の様な者がうろついていた。
彼らは自らの死を自覚できない亡霊ではないかと、山田は話す。
矢口が故郷に戻ってきたのは、最近父親の霊を見るからで、その意味を知りたがっていた。
亡霊のうろつく廃墟と化した故郷を前に、
矢口は山田の語る物語を聞きながら、自分のすべきことを考える。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
世田谷パブリックシアターは、現代演劇と舞踊を中心とする専門的な作品創造・上演活動と、市民の自由な創作や参加体験活動を通し、新しい舞台芸術の可能性を探る劇場です。東京・三軒茶屋駅前のランドマーク、キャロットタワーの中にあり、主劇場・世田谷パブリックシアターと小劇場・シアタートラムの2つの劇場のほか、稽古場や作業場、音響スタジオなど「舞台作品創造」のためのさまざまなスペースが用意されています。
怠け者の太郎が妻へのあてつけに腹を切って死のうとする、その一部始終をシテの太郎が独演。妻も仲裁人も見ていないところで一人、何度も腹を切り損なう太郎。まるでベケットの戯曲を思わせる無目的な行為の繰り返しが、人間の愚かしさを際立たせる。古典狂言としては特異な、不条理を感じさせる作品。
地域の物語2023
『地域の物語』は、世田谷パブリックシアターによる、ワークショップを通じて参加者たちが演劇づくりに取り組むプロジェクト。今回は「看取り」をテーマに、「えんげきコース」「からだコース」の2つを設定しました。「からだコース」では、互いに看取りの体験を話し、共有しあうことと共に、毎回、体をつかうエクササイズを行い、自分のからだの反応に丁寧に向き合うことを目指しました。看取りに関する思いや、気づきをテキスト
「ともにゃの部屋」は、世田谷パブリックシアターが、区内在住の障害当事者の方へのインタビューから立ち上げた演劇シリーズです。もともとは下馬地区の住民に向けた屋外のお祭りで上演していましたが、シアタートラムでの上演に合わせて創作しなおしたのが本作品です。黒田真史さんは18歳での交通事故で脳が飛び出るほどの損傷を負いました。動かせるのは、たった一本の親指という絶望の淵から、今の生活を獲得するまでの人生を
地域の物語2023
『地域の物語』は、世田谷パブリックシアターによる、ワークショップを通じて参加者たちが演劇づくりに取り組むプロジェクト。今回は「看取り」をテーマに、「えんげきコース」「からだコース」の2つを設定しました。「えんげきコース」では、新しい試みとして表現の一つに歌を取り入れました。参加者は看取りについて合同詩や個別の歌詞を作成後、作曲を依頼。歌の練習や体験の共有からの演劇づくりを重ね、看取りの物語をつくり