世田谷区下馬地区にお住まいの方たちの生活を支える仕事をされている/いた方に、「支援すること、支えること」をテーマにインタビューから創作するシリーズ。3作目となる本作は、知的障害の方の支援をされてきた長見亮太さんのお話です。下馬地区の住民に向けたお祭りで初演しました、シアタートラムでの上演に合わせて創作しなおしたのが本作品です。仕事を始めた経緯、支援しながら考えてきたこと、家族のこと。人が人を支えるとはどういうことかを問いかけます。
世田谷パブリックシアターは、現代演劇と舞踊を中心とする専門的な作品創造・上演活動と、市民の自由な創作や参加体験活動を通し、新しい舞台芸術の可能性を探る劇場です。東京・三軒茶屋駅前のランドマーク、キャロットタワーの中にあり、主劇場・世田谷パブリックシアターと小劇場・シアタートラムの2つの劇場のほか、稽古場や作業場、音響スタジオなど「舞台作品創造」のためのさまざまなスペースが用意されています。
おりんの村には、70歳になると供の者に背負われて深い山奥の「楢山さん」へ行き、二度と戻らない「楢山まいり」の風習があった。当年69歳のおりんは、一日も早く楢山まいりに行こうとするのだが、孝行息子の辰平は複雑な心境である。一方、辰平の息子けさ吉は、自分の子供が生まれるのが近いこともあり、おりんに早く楢山まいりに行った方がいいという。村には70歳になってもなかなか楢山へ行こうとしない又やんのような者も
怠け者の太郎が妻へのあてつけに腹を切って死のうとする、その一部始終をシテの太郎が独演。妻も仲裁人も見ていないところで一人、何度も腹を切り損なう太郎。まるでベケットの戯曲を思わせる無目的な行為の繰り返しが、人間の愚かしさを際立たせる。古典狂言としては特異な、不条理を感じさせる作品。
「ともにゃの部屋」は、世田谷パブリックシアターが、区内在住の障害当事者の方へのインタビューから立ち上げた演劇シリーズです。もともとは下馬地区の住民に向けた屋外のお祭りで上演していましたが、シアタートラムでの上演に合わせて創作しなおしたのが本作品です。黒田真史さんは18歳での交通事故で脳が飛び出るほどの損傷を負いました。動かせるのは、たった一本の親指という絶望の淵から、今の生活を獲得するまでの人生を
物語の舞台は絶海の孤島。飲むと永遠の命を得ることができるという“不老長寿の泉”を巡り、その泉の守り役の鷹姫、何十年もの間、泉から湧く水を待ち続ける老人、そして、新たに水を求めに来た若き王子・空賦麟(くうふりん)、それぞれの水を求める苦悩を嘆き謡う…。今から100年以上も前、ノーベル文学賞を受賞したアイルランドの詩人ウィリアム・バトラー・イェイツは能の世界に影響を受け、劇作品『鷹の井戸』を執筆しまし