おりんの村には、70歳になると供の者に背負われて深い山奥の「楢山さん」へ行き、二度と戻らない「楢山まいり」の風習があった。当年69歳のおりんは、一日も早く楢山まいりに行こうとするのだが、孝行息子の辰平は複雑な心境である。一方、辰平の息子けさ吉は、自分の子供が生まれるのが近いこともあり、おりんに早く楢山まいりに行った方がいいという。村には70歳になってもなかなか楢山へ行こうとしない又やんのような者もいる…。
舞台は、主人公・おりんの回想を交えた形で展開します。野村万作が門弟とともに、笑いの要素が一切ない、シリアスな作品世界を狂言の手法で描き出します。
原作:深沢七郎、脚色:岡本克己、演出:野村万作
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
世田谷パブリックシアターは、現代演劇と舞踊を中心とする専門的な作品創造・上演活動と、市民の自由な創作や参加体験活動を通し、新しい舞台芸術の可能性を探る劇場です。東京・三軒茶屋駅前のランドマーク、キャロットタワーの中にあり、主劇場・世田谷パブリックシアターと小劇場・シアタートラムの2つの劇場のほか、稽古場や作業場、音響スタジオなど「舞台作品創造」のためのさまざまなスペースが用意されています。
世田谷区に住む60歳を超えた4名の重度脳性麻痺の方へのインタビューから創作した作品。「できない身体は劣っているわけではない、あるがままの身体を受け入れよう」と社会に訴え、周りの人の力を借りながら「自立生活」(施設を出て暮らすこと)を獲得してきた障害当事者が、老いによって、今まで以上に身体が動かなくなり、自分たちの身体をうけいれ難く思った時……。葛藤や恐れを持ちながらも、自分の気持ちに向き合う障害当
現代サーカス界の次世代を担う若きサーカスアーティストたちによる日仏コラボレーション。2021年10月、世田谷パブリックシアターで実施された初演の舞台裏に迫る。カンパニー・ルーブリエの代表作として世界中で上演されている『5es Hurlants』をベースに、同演出家であるラファエル・ボワテルと彼女によって選出された日本のサーカスアーティストたちが、ダンス、エアリアル、ジャグリング、綱渡りなどのテクニ
地域の物語2023
『地域の物語』は、世田谷パブリックシアターによる、ワークショップを通じて参加者たちが演劇づくりに取り組むプロジェクト。今回は「看取り」をテーマに、「えんげきコース」「からだコース」の2つを設定しました。「からだコース」では、互いに看取りの体験を話し、共有しあうことと共に、毎回、体をつかうエクササイズを行い、自分のからだの反応に丁寧に向き合うことを目指しました。看取りに関する思いや、気づきをテキスト
集落の神社に、神主の家族である矢口が訪れる。矢口はそこで、社に住みつく山田という男に出会う。そこに村の再開発を計画する業者の橋本と、その為の調査を請け負った地質学者の曽我が現れる。山田も橋本も、かつての神主である矢口の父親を知っていた。ガスの流れに足止めされた三人に、山田は物語を語り始める。社の周りには、口を利かない浮浪者の様な者がうろついていた。彼らは自らの死を自覚できない亡霊ではないかと、山田