12年前(1992年)に第14回公演を最後に解散した劇団健康が、一度限りの復活公演、と題し、
当時の劇団員が集結しナンセンスを極めた作品を上演した。
健康を解散後、主宰のKERAはナイロン100℃を旗揚げし、健康時代とは異なる様々な作風の演劇を上演しているが、本作ではナンセンス・コメディをひたすら追求したものとなっている。
小津安二郎の「東京物語」をナンセンスに振り切った物語を縦軸に、支離滅裂な世界がそこかしこに織り交ぜられていく。冒頭から出てくる間宮周介とその老妻さとは、「大堀こういち×新村量子」、「三宅弘城×藤田秀世」、「みのすけ×新村量子」といった違った組み合わせで演じており、KERA自身も劇中映像および舞台にも出演、内輪ネタと自虐ギャグ満載の出鱈目と悪ふざけの限りを尽くしている。
出演クレジットには出ていないが、当時ナイロン100℃の新人であった眼鏡太郎と皆戸麻衣が黒子出演、ラストシーンを演じる。
演劇博物館別館6号館3階「AVブース」にて視聴可能です。
1985年8月、バンド「有頂天」のボーカルであったKERAを中心に犬山犬子(現・犬山イヌコ)、みのすけ、田口トモロヲらと『ホワイトソングー意味盗り合戦』で旗揚げ。1985年から1992年の間に14本の本公演、2本の番外公演と10本のプロデュース公演を行い解散。2005年に一度限りの復活公演として『トーキョーあたり』を本多劇場にて上演。
劇団名は、「劇団健康」から第10回公演以降は「健康」に名称変更している。